ライター業をはじめる女子アナが増加。なぜ出版界に進出するのか?
今、出版の世界に”女子アナ”たちの進出が目覚ましい。
平成の世の現代でも長時間労働、サービス残業は当たり前、前時代的な男社会といわれる出版業界。そんな出版業界になぜ女子アナたちはやってきたのだろうか。
「ライター業、とくにフリーランスなら他の職業に比べて時間の自由も効くというものです。結婚や出産でアナウンサーとしてのキャリアの中断を余儀なくされる女子アナにとって、ライター業はその取材力、発信力、知名度が活かせる副業として好都合という側面もあります」
記者・ライターの「お仕事」と「正体」がよーくわかる本』(秀和システム)を上梓したフリーライターの秋山謙一郎氏はこう語る。
事実、大手出版社編集部員も、近年、出版業界への進出目覚ましい女子アナの実態について次のように語った。
「元日本テレビの関谷亜矢子アナがスポーツライターとして活躍しています。関谷アナの他にも芸能や経済といった分野で”女子アナ・ライター”がいます。彼女たちはアナらしく取材対象者から丁寧に話を引き出すのが上手。本業のライター以上に評判も上々です」
だが、こうした例は書籍を著したごく一部の女子アナ以外あまり耳にしないのが実情だ。その背景について前出・秋山氏はこう解説する。
「彼女たちの多くはペンネームでの執筆だからです。報道やスポーツアナには中立性が求められます。なのでテレビ以外の雑誌やニュースサイトといった媒体に実名で書くことは難しい。画面や音声で『話している』ことと雑誌などで『書いている』ことに矛盾が生じた場合、アナとしての仕事に差し障りがあるため、実名での雑誌やニュースサイトでの露出は難しいのです」
ペンネームとはいえ実際に取材現場にも赴くライター。取材先では、「あの人、もしかして、朝の番組に出ていた誰それアナでは?」という声が上がることもしばしばだ。取材を受ける側にとっても、ライターよりも現役アナから受ける取材のほうが心地よいという現実もある。
「男性の新聞記者や雑誌記者のなかには、時々、厳しい質問を投げかける人もいます。そんなライターなら、俺たちは『絶対に話してやらない』という気になるものです。でもテレビで観たことのある女子アナなら、ついつい気も緩みあれこれ話してしまうものです。見方次第では手強いライターですよ」(在京、セ・リーグ球団、一軍選手)
まさに本業のライターそっちのけの活躍ぶりの女子アナ・ライターたちだが、彼女たちが出版業界で重宝がられるのは理由がある。前出の大手出版社編集部員が語る。
「どんなことをしても締め切りを守るんです。専業ライターのなかには、『締め切りを破ってナンボ』みたいなのが結構います。でも放送業界では締め切りは絶対。オンエアに遅刻したなどという話はまず聞きません。その意識が徹底しているからでしょう。こちら側の無茶なオーダーも聞いてくれます。そこが専業ライターとの大きな違いです」
評判上々の女子アナ・ライターたち。当の彼女たちはこうした声をどう思っているのだろうか。ひとりの女子アナ・ライターが匿名を条件に小サイトのインタビューに応じてくれた。
この6月末に『1
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『記者・ライターの「お仕事」と「正体」がよーくわかる本』 知っていそうで知らない…そんなアレやコレがわかる本です。 |
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