新崎人生HAKUSHIがWWEデビュー ――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第178回
11月28日、29日の2日間はニューヨーク州パキプシーのミッドハドソン・シビックセンターで“マンデーナイト・ロウ”と“WWEスーパースターズ”のタメ撮り、11月30日はマサチューセッツ州ローウェルのベテランズ・メモリアル・センターでシンディケーション番組“WWEチャレンジ”のTVテーピングがおこなわれた。
WWEサイドはアメリカ人に発音しやすい新リングネームの候補作をいくつか用意し、新崎自身もお遍路さんではない役づくりを希望していたため、新キャラクターはホワイト・エンジェル(白い天使)というコンセプトから白使HAKUSHIと名づけられた。マネジャーの佐藤は、能面のイメージで顔を白塗りにして信者SHINJAを名乗った。
HAKUSHIは28日、29日の両日、TVマッチの第11試合、第12試合に出場。対戦相手は2日間とも若手のリノ・リギンスという選手だった。90年代後半にWWEとWCWの“月曜TV戦争”がスタートし、プロレス番組が生中継スタイルに“変換”するまで、TVマッチのいちばん基本的なコンテンツは“スクワッシュ”と呼ばれる有名レスラー対無名レスラーの“3分マッチ”だった。
新崎のWWEデビューとそれまでの日本人レスラーの海外武者修行の大きなちがいは、時間に対する感覚だった。海外武者修行は1年後、2年後に帰国を“設定”した長期滞在だが、新崎のWWEでのツアー生活には期限が定められていなかった。肌の色や国籍に関係なく才能のあるタレントには平等にチャンスが与えられる場所がメジャーリーグであり、言葉のカベや文化や習慣や環境のちがいをハンデとすることなくその実力を発揮できるのがメジャーリーガーなのである。(つづく)
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文/斎藤文彦 イラスト/おはつ
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