更新日:2022年08月21日 12:33
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尾形光琳からドラッカーまで魅了する「元祖奇想の画家・雪村」 今だからこそ回顧展を見るべき理由

 戦国時代、東国で活躍した画家・雪村(せっそん)を紹介する特別展『雪村 -奇想の誕生-』が、2017年3月28日~5月21日に東京藝術大学大学美術館(東京・上野公園)にて開催される。重要文化財の『呂洞賓図』をはじめ、主要作品約100件と関連作品約30件が展示される最大規模の回顧展となる。彼の奇想がどのようにして生まれたのか。その全貌に迫るものだ。  雪村の大回顧展が開催されるのは15年ぶり。伊藤若冲、曾我蕭白、歌川国芳など、「奇想の画家」がブームを起こしている今、その元祖とも呼ぶべき雪村を見ずには語れない。

雪村筆 《風濤図》 重要文化財 1幅 22.1×31.4cm 京都・野村美術館蔵 【展示期間:4月25日~5月21日】

01-雪村筆《呂洞賓図》 重要文化財

雪村筆 《呂洞賓図》 重要文化財 1幅 119.2×59.6cm 奈良・大和文華館蔵 【展示期間:3月28日~4月23日】

『奇想の画家』ブームの今だからこそ雪村

 今回の展示会によせ、美術専門家たちはこう言う。「彼が鳥羽僧正のような伝説的存在を例外として、日本絵画史上最初に誕生した『奇想の画家』ということである」とは美術史家の辻惟雄氏。また、本展の監修者であり、千葉市美術館館長の河合正朝氏は「独り近世を先取りする、この画家の類いまれなる個性というべきか。だからこそ『奇想』、『異端』のはじまりに雪村を位置づける。今こそ見るべきは雪村なのです」とコメントを残している。
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後世の大絵師や現代の知識人を魅了した理由を探る
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明治大学商学部卒業後、金融機関を経て、渋谷系ファッション雑誌『men’s egg』編集部員に。その後はフリーランスで様々な雑誌や書籍・ムック本・Webメディアの現場を踏み、現在は紙・Webを問わない“二刀流”の編集記者として活動中。若者カルチャーから社会問題、芸能人などのエンタメ系まで幅広く取材する。趣味はカメラ。X(旧Twitter):@FujiiAtsutoshi

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●特別展『雪村 ー奇想の誕生ー』
日時:2017年3月28日(火)~5月21日(日)10:00~17:00(入館は閉館の30分前まで)
場所:東京藝術大学大学美術館
URL:http://sesson2017.jp/
休館日:月曜日 ※ただし5月1日は開館
料金:一般1,600円(1,400円)大学生1,200円(1,000円)高校生900円(700円)
※()内前売および20名以上の団体料金、中学生以下は無料
※団体観覧者20名につき1名の引率者は無料
※障がい者手帳をお持ちの方(介護者1名を含む)は無料
※会期中、展示替えあり
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