マクマホン家の長女ステファニー、衝撃のデビュー!――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第312回(1999年編)
ステファニー・マクマホンが衝撃のデビュー――。“マクマホン家の長女”ステファニーが月曜夜の連続ドラマ“ロウ・イズ・ウォー”の画面に初めて登場したのは1999年4月12日(ミシガン州デトロイト、ジョー・ルイス・アリーナ)だった。
1976年生まれのステファニーはこのとき22歳。前年の1998年6月、ボストン大学(コニュニケーション学専攻)を卒業後、WWEの親会社タイタン・スポーツ社に就職し、約10カ月間、テレビ番組制作の現場を“実習”した。
プロレスファン、というよりもアメリカじゅうのテレビ視聴者をビックリさせたのは、ステファニーが父ビンス・マクマホンとは似ても似つかないナチュラル・ビューティーの超清純派という事実だった。
WWEの連続ドラマは“親子の断絶”という普遍のテーマに挑もうとしていた。“親子”とはいうまでもなくビンスと長男シェーン・マクマホン、長女ステファニーのマクマホン親子である。“マクマホン・ファミリーの性(さが)”を描く長編ストーリーは、どうやらビンスとシェーンの“骨肉の争い”がそのプロローグになっていた。
ポスト“レッスルマニア15”の新シーズンは、“悪の首脳部”コーポレートの分裂というエピソードからはじまった。シェーンは「こんな役立たずのジジイばかり雇っておくからこの会社はダメなんだ」と発言し、父ビンスとパット・パターソン、ジェリー・ブリスコら側近グループの無能さを痛烈に批判。WWEの最高権力者就任をアピールした。
シェーンの造反によってザ・ロック、ケン・シャムロック、ハンター・ハースト・ヘルムスリー(トリプルH)とその子分たち、“新顔”ビッグショーらコーポレート派閥も2派、3派に分裂現象を起こし、アンダーテイカーはヒール系の新グループMOD(ミニストリー・オブ・ダークネス=暗黒伝道師)を結成。“ストーンコールド”スティーブ・オースチンとマンカインド(ミック・フォーリー)のふたりだけがビンス派ともシェーン派とも一線を画す“超党派”を選択した。
シェーンのヒール転向は“悪のオーナー”ビンスのベビーフェース路線というまったく新しいシチュエーションを生んだ。
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