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今の20代は『自分が○○したいから』と言えない!?

◆今の20代特有の考え方。その背景とは?
田中理絵氏

田中理絵氏

「20代の対人コミュニケーションの根幹には『自分一人が浮くのは耐えられない』という感覚がある」と語るのは、電通総研・若者問題研究所の田中理絵氏だ。それは20代が育ってきた文化状況にも表れているという。 「例えばゲームひとつをとってみても、今の20代はみんなで交換して遊べる『ポケモン』で育った世代。『一人でレベル上げするより、みんなで楽しもう』が基本です」  仲間との協調を一番に考える20代は、リーダーではなく幹事になりたがる傾向があるそうだ。 「何かしようというときに『自分がしたいから』とは言いたくない。私は気を使いすぎじゃないかとも思うのですが、自分の都合に人を付き合わせると、周りに嫌がられるかもしれないと考える。自分一人が目立ち、浮いてしまうからです。では、どうするかというと、『卒業○周年記念で』とか『○○さんの誕生日だから』といった、仲間全員に関係のある共通のイベントをセッティングするんです。自分がリーダーなのではなく、みんなのために幹事をやっている、という行動の理由が得られると、仲間を誘いやすくなるようです」  だが、ある意味ではそこまで社交的な20代の若者が、なぜ嫌われてしまうことがあるのだろうか。 「『何を常識として育ったか』が違うんですよ。特に『人との距離感の違い』は大きい。’95年のオウム事件や’97年の酒鬼薔薇事件などにより日本の治安が悪化したというイメージが広まり、今の20代は『見知らぬ人としゃべっちゃダメ』と教育されてきました。つまり、友達感覚で話せる親や先生以外には、身近な目上の人と丁寧な言葉で日常会話を交わす機会もなく成長してきたわけです。結果、社会人になって上司と接しても、親に話すように友達感覚でぶっちゃけてしまったり、逆に妙に気を使ってしまったりと距離感が掴めない人も出てきた。距離の取り方が今の社会常識とは違うことが、彼らが年上の世代に嫌われてしまう要因のひとつかもしれません」 【田中理絵氏】 ’77年生まれ。電通総研「若者問題研究所(通称:電通ワカモン)」のプロジェクトリーダー。10~30代向けの商品開発やコミュニケーション企画に従事 ― [嫌われる20代]の特徴【8】 ―
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