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ショーン・ウォルトマンはロックンロールの魂を持っている――フミ斎藤のプロレス読本#101【ショーン・ウォルトマン編エピソード1】

 そうこうしているうちにガールフレンドができた。彼女もまたプロレスラーの卵だった。リングネームはラナで本名はテリー。いっしょに暮らすようになって、いちおう結婚もして、ベイビーが生まれた。男の子ができたのでジェシーと名づけた。結婚については後悔はない。  ミネアポリスに来てから、ダラスの新団体GWF(グローバル・レスリング・フェデレーション)にブッキングされるようになった。  ユニバーサル・レスリング連盟とコネクションができて、何度か日本へも行った。日本ではたくさんの新しい友人たちと出逢った。日本でいちばんおいしいと思った食べものはチャーシューメンと緑色のクリームソーダだった。  でも、ダラスGWFのギグもユニバーサルのジャパン・ツアーも長くはつづかなかった。それはショーン=キッドのせいではなくて、いずれもプロモーター側のプロブレム。とにかく試合をやりたかったから、ミネソタでシャーキー派の興行があればどんなに遠いところでもボロ車を飛ばして日銭を稼ぎにいった。  ショーン=キッドのすごいところは、どんなに生活が苦しくてもプロレスと関係のないアルバイトをしなかったことだ。プロレス以外のことは考えたくない。試合がないときは1日じゅうトレーニングをして、夜は夜でビデオを観ながらプロレスの勉強。  ちょっとでも時間があればアメリカじゅうのプロモーターに送るためのデモ・テープを編集し、プロフィル書類の作製に精を出した。カミさんとの会話だって、ジェシーくんのことか、プロレスのことだけだ。  ショーン・ウォルトマンはいつか“この世界”で大物になるにちがいない。こんなにピュアでまじめでマネなプロレス人間はそうそうお目にかかれるものではない。そして、ショーン=キッドは電話魔でもある。 「ねえ、ボク、よく考えてみたんだけどね、世界チャンピオンになったらさ、やっぱり黒のショートタイツだよね」  おいおい、それ、いったいいつのはなしなんだ――? ※文中敬称略 ※この連載は月~金で毎日更新されます 文/斎藤文彦
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