更新日:2022年10月29日 01:12
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最速で「スーツを格好よく着る」ための方程式

 メンズファッションバイヤー&ブロガーのMBです。洋服の買いつけの傍ら、「男のおしゃれ」についても執筆しています。連載第151回目をよろしくお願いします。
MB

メンズファッションバイヤーのMB。「『おしゃれに見える』にはちゃんと理由があるんです」が持論(撮影/難波雄史)

 今回はビジネスマンに向けて「スーツの着こなしの鉄則」をお教えしましょう。12月はパーティーやイベントも多く、日常でもジャケットスタイルを着用することも多いはず。鉄則を知ればスーツスタイルは怖くない。基本的なルールをいくつかお教えします。

柄や色で遊びすぎない

 まずは鉄則です。新卒社員などで多いのがスーツ用のドレスシャツに……「襟が二重になっているもの」「シャツの前立てにチェック柄が入っているもの」「シャツのボタンの縫製糸がレインボーカラーになっているもの」などを選んでいるケース。  無地のシャツや無地のネクタイではなんとなく心もとない気持ちもよくわかります。「よくわからんが、一応オシャレ着に見えるだろう」と何かデザインがあるものに手を出すのも理解できます。しかし、スーツスタイルは完成形があるもの。街着の延長でゴテゴテとつけた無駄なデザインはスーツの完成度をむしろ下げてしまうものです。  礼服を見れば明らかですが、スーツは「デザインが極端にシンプル」「色はモノトーン」「シルエットはシワが一切ない体にフィットしたもの」が正解です。この正解にいかに近づけるかが、スーツにおいての正しさに繋がります。無論、Vゾーンである程度、色や柄を主張するのは「毎日のバリエーション」という意味において必要でしょうが、ゴテゴテとデザインを付け足すほどに子供っぽく安っぽく感じるものです。  柄や色にこだわるよりもスーツはサイジング勝負です。デニムやオックスフォードなどカジュアルウェアはシワを好みますが、スーツはシワを嫌い艶を大事にします。いかにシワが出ないようにサイズを整えるかがデザインよりもはるかに重要です。「柄や色で遊びすぎないこと」これを鉄則として覚えておきましょう。

ラペル幅とネクタイ幅とシャツ襟サイズはなるべく合わせる

スーツ シャツの襟やネクタイの幅、ジャケットのラペルなどいろいろな種類があってどれが正解か迷うこともあるかと思いますが、基本中の基本として「ラペル」「ネクタイ」「シャツ襟」の大きさ(幅)を合わせることを意識しましょう。  例えば、ダブルなどの広いラペルのジャケットに極細のナロータイを巻いてしまうと、やたらとネクタイが小さく見えてしまいアンバランスに感じます。シャツの襟が小さいのにネクタイのノットや幅が思い切り大きいと、ひと際ネクタイが大きく感じてしまいこれもアンバランスです。顔まわりは視線が集まりやすい重要ポイントですから、チグハグな印象を与えないようにこの3箇所を合わせることを覚えましょう。  厳密に「〇〇mm」などと守る必要はありませんが、「このジャケットはラペルが細いからネクタイも細めに巻こう」「このシャツは襟が大きいから、ジャケットもラペルが太いダブルのものを選ぼう」など意識するだけで十分です。ここがチグハグだと違和感ばかりが目につきます。お気をつけて。

ジャケットの袖は「親指の付け根から9cm」、シャツの袖は「ジャケットの袖から1cm」、スラックスの裾は「ノークッション~ハーフクッション」が理想

スーツの袖と裾 「顔まわり」「袖先」「パンツの裾」などは体の先端部分にあたるため視線が止まりやすいもの。ここの印象は全体を左右するほどの重要ポイントです。顔まわりの整え方は上記の通りですが、「袖先」と「パンツの裾」も重要です。ここが長すぎてたるんでいるとシワが生まれます。目立つ先端部分にシワがあると一気にルーズな印象が強くなります。ルーズな印象が出てくればカジュアルで子供っぽいイメージとなりスーツの完成度を崩します。別に細かい「素材の良し悪し」「小物」などにはまずこだわらなくても良いので、優先してこの「先端部分のサイズ感」を気をつけてみてください。新しいスーツなどを買わなくても実は「袖」と「裾」をお直しするだけでガラリと印象が変わるものです。  まず、ジャケットの袖はまっすぐに腕を下ろした時に、親指の先から袖の先までの距離が「9cm」であることを目安にすると良いでしょう。袖は長すぎると上記の通りルーズな印象になりますが、逆に短すぎても「ツンツルテン」な寸足らずに見えます。9cm程度が程よい長さです、手持ちのジャケットをチェックしてみましょう。  またそれに合わせてシャツの袖の長さも意識してみましょう。シャツは常にジャケットの袖から出ていればまるで「下着」が出ているようなだらしない印象になります。腕を下ろした時にジャケットの袖からチラリ1cm出るのが理想的な長さです。ジャケットの袖は9cm、シャツの袖は1cmと覚えると良いでしょう。  また、スラックスの裾はシワが出ない「ノークッション」が理想ですが、靴下が常に見えてしまっているとフォーマルな場では適しません。ギリギリ靴下が出ない「ハーフクッション」くらいが理想です。こちらも手持ちのスーツを確認してあまりにも長くシワがあるようならお直しに出しましょう。
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