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身近な人が「サイコパス」だったら、どう接するべき?

 では、成功者になる人がいる一方で、反社会的な行動に走ってしまう人もいるのはなぜなのか? 「それは、サイコパスの特徴の一つとも言われる『人間関係では埋められない空虚感』を、何で埋めているかの違いでしょう。成功者は、それを仕事や学問に没頭して埋めてきたのでしょうし、犯罪者になる人は、それを反社会的な行動や他人を支配して操ることで埋めようとしてしまったのでしょう。また空虚感を覚えている人でも、両親などがその特質を理解し、愛情をもって接してくれた場合は、反社会的な行動に走りにくくなるとも言われます」  自分にはサイコパス的な要素が多いと感じた人も落ち込む必要はない。人間関係を上手に育み、自分の感情や能力をコントロールできるようになれば、サイコパス的な要素は「才能」に転じるとも言えるのだ。 「サイコパスの要素が多いと感じた人は、まずは自分の心の空虚感を、人を操作することで埋めようとしていないか振り返ってみましょう。空虚感を和らげるには、他人の苦しみや困難に際して援助することで信頼関係を築くことが大切ですが、いきなりそこに向かうのは難しい。勧めたいのは、まずは運動や坐禅など、体に負荷を与える趣味を持つこと。次第に心も安定して、趣味を通じて人間関係を育む機会も増えるでしょうし、自分の能力で周囲を幸せにする可能性も高まるはずです」 【名越康文氏】 精神科医。相愛大学、高野山大学客員教授。臨床に携わる一方で、コメンテーターや映画評論、漫画分析でも活躍中。近著に『〈新版〉自分を支える心の技法』など ― [隣のサイコパス]を見抜く技術 ―
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