2007年に千葉県市川市において、英会話学校講師が殺害された「リンゼイ・アン・ホーカーさん殺害事件」。被害者と同居していた女性から行方不明の連絡を受け千葉県警が捜査を開始し、市橋達也宅の家宅捜索に踏み切り、ベランダに置かれていた浴槽の内部で土に完全に埋められた被害者の遺体を発見したものの、市橋は逃亡した。
美容整形を施した市橋の逃走劇は、2007年3月26日から2年7ヶ月に及んだが、逃亡生活の様子や心境などをまとめた手記『逮捕されるまで 空白の2年7カ月の記録』(幻冬舎文庫)には、その間に自分が読んだ本のことも書き記しているようで、J・D・サリンジャー『The Catcher in the Rye』の原書と英語とフランス語の辞書を購入し、沖縄潜伏中に読んだという。
他にも「マンガ『バキ』を買った。地下闘技場戦士が五人の死刑囚と闘う話の箇所を選んで買った。(中略)強い死刑囚を見て、自分を励ますためだった」という記述や、リンゼイさんに薦められていた『ハリー・ポッター』の原書、横山秀夫『半落ち』、東野圭吾『殺人の門』、天童荒太『悼む人』などの書名もあるそうだ。
大阪南港フェリーターミナルで逮捕された市橋は、殺人と強姦致死の罪で起訴され、第一審で無期懲役となった。