更新日:2018年01月09日 00:35
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身近な人が「サイコパス」だったら、どう接するべき?

サイコパス 座間市の9遺体事件後、目にする機会の多い「サイコパス」という言葉。精神医学の世界ではすでにサイコパスとは呼ばず「反社会性パーソナリティ障害」と呼ぶが、規則や社会のルールを守ろうとせず、他人を傷つけても自分を正当化するといった特徴を持つ障害のことである。

実は社会の役に立つサイコパスもいる

 では、身近な人に、こういった要素が強く見られる人がいた場合は、どう接するべきなのか? 「この人はサイコパスだ」と断言するのは困難であり、迂闊な判定はトラブルのもとにもなりかねない。精神科医の名越康文氏はこう分析する。 「まず、できるだけ2人きりでは会わないこと。言葉巧みに会話を進め、自分に利益を誘導するサイコパスの能力は、一対一の場面で最も強く発揮されますから。毎日接する関係なら、適切な距離を取ること。そして、会う必要がないなら会わないことです。また、サイコパスは平然と相手を裏切るので、リスクを共有するような約束は絶対にするべきではありません」

サイコパスは窮地を救う存在にもなりうる

 しかし、その一方でサイコパス的な要素を持つ人のなかには、社会的な成功者や、優秀なビジネスマンと言われる人も多いんだとか。 「他人や集団を助け、役に立とうとする『向社会性サイコパス』という例もあります。『人類の2%はサイコパスだ』という見解もありますし、そのような特徴を持つ人が存在し続けているということは、人類がサイコパスを必要としている証拠とも言える。実際、サイコパスには、危機的な状況下で高い能力を発揮できる人が多いです。ですから会社を救うような大仕事をすることもあるでしょう。他の人がパニックに陥るような状況でも、平然と対応できる人というのは、やはり一定数必要なんです」
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なぜ反社会的な行動に走ってしまうのか
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