虐待する親は異常者なのか? 自覚がない場合も
連日のように報道される、子どもへの虐待事件。中には、ごく普通の人に見える容疑者=親もいる。いったいなぜ、虐待に走ってしまうのか?
今年1月24日、千葉県野田市在住の会社員栗原勇一郎容疑者(41歳)が長女の心愛(みあ)ちゃん(10歳)を13時間以上にわたり虐待した末、死亡させるという痛ましい事件が起きた。また、昨年、目黒区で起きた船戸結愛(ゆあ)ちゃん(5歳)の虐待死も記憶に新しい。両事件の父親は、しつけを免罪符に配偶者を巻き込み、児童相談所をかわしながら執拗に虐待を続けていた。
これらのように最悪のケースに至らないまでも、親がしつけと称して我が子に手を上げるケースは少なくない。親子療法協会代表で心理カウンセラーの影宮竜也氏には、家庭問題の相談が寄せられる。何が親たちを虐待に走らせるのだろうか。
「よく、虐待をする親や異常な親を指して“サイコパス”という言葉が使われますが、厳密にいえばサイコパスは他人への共感能力が著しく低く、先天的な脳の問題を抱えている可能性が高い人たちを指します」
影宮氏のところに寄せられる相談のうち、サイコパスのように思われるケースはごく稀だそうだ。
「ほとんどの場合、育った環境など、後天的なことが問題行動を起こす原因となっています。自分の親を夫婦のロールモデルにする傾向があるからです。『こんな事件を起こすような人じゃ……』という声が周囲から上がりますが、外づらがいいのも、身近な支配できる相手にだけ矛先を向けるDVやモラハラをやる人の特徴です」
では、身体的虐待まで至らないまでも、毒親になるリスクがある人の兆候はどんなことだろうか?
「たとえば、ほかのママ友の行動を監視する人は見捨てられる不安を抱えており、親のためにいい子を演じてきた人に多いです。『タミフルは危険』などトンデモ論を押し付けてくるのは権威に弱い人で、権威にあやかって自分も特別に見られたいと思っています」
ほかの家庭や親のヤバさは目につきやすいが、自分自身の危うさには気がつかないものだ。
「ニュースになるような親は『最終的に虐待に至った』のであって、環境によって誰でもそうなる可能性があります。自分の性格や感情のスイッチが入るパターンを把握しておくのがよいでしょう」
毒親を人ごとと考えている人ほど要注意。自身が毒親であると気づいていないだけかもしれないーー。
【影宮竜也氏】
心理カウンセラー。親子療法協会代表。毒親・親子問題専門の心理カウンセラー。著書に『毒親からの完全解放』や『毒母の棘』がある
取材・文/週刊SPA!編集部
※週刊SPA!2月26日発売号「サイコな毒親の実態」特集より
虐待する親の大半は、「異常者」ではない
自覚がなく毒親になるリスクはある
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