「加藤シゲアキはナンバーワンホストになれる」元カリスマホスト・手塚マキ
歌舞伎町の住人たちとの質疑応答タイムを挟み、盛り上がったイベントもあっという間におひらきに。「もっと本の話がしたかったのに……」とボヤく羽田氏と手塚氏に、『チュベローズで待ってる』の読みどころを改めて聞いてみた。
羽田「加藤さんが『SPA!』の読者を意識したとおっしゃってましたけど、本当に男が好きな要素がいっぱい詰まってるんですよ。ホストクラブで働くのを疑似体験的に楽しめるのもありますし、“伝説の先輩”みたいな話も出てくるし。『入社式に金髪ジャージ!?』みたいな。男性にこそ多く読まれるべき小説だと思う」
手塚「ぼくもこの本は売れると思います。ホストや水商売をしている人にぜひ読んでもらいたい。主人公のように、相手の気持ちを“もらう”ことのできるホストになってもらいたいですね。あと、ぼくが聞きたかったのは“におい”のことなんですよ。においの描写がたくさん出てくるじゃないですか。ぼくたち、お酒飲む仕事してるんで鼻が過敏になるんです。物語の途中で“人のにおい”という表現が出てきますよね。この表現は、水商売をやっている人間にはすごく響く部分だと思いました」
――“人のにおい”という表現は、この作品ではたしかに印象的です。
手塚「人って、みんなにおいが違うんですよ。普通は名前とか会話とか表情とかで相手を記憶することが多いと思うんですが、水商売の人間はにおいで記憶することがすごく多い。はっきりとした香りではないけど、香りの雰囲気で記憶している。それを“人のにおい”という言葉で表現しているところが、ぼくはすごく気に入りました」
羽田「ぼくも好きですね。『他人のにおいというものを思った。彼女の生きた四十年が、僕の皮膚を通って血に溶け、身体に吸収されていく』。“におい”というものを通じたこの表現、いちばん美しくて上手だなと思って、何重にも線を引きました」
手塚「タイトルが、香りの強い『チュベローズ』なのも、そういうことなのかなと」
加藤「ぼくの手癖っていうのもあるんですよ。においについての描写が好きって言うか、つい書いちゃう。味覚や音の描写も結構出てくるし。視覚と触覚以外のこの三感を書くのが好きなんですね」
手塚「だから、取材をしていなくてもリアリティが出てくるんでしょうね。ホストクラブの描写も、現実のホストクラブがどうかということではなく、肌感でのリアリティが感じられる。これ、水商売やってる人は共感する人が多いと思います」
加藤「半分ネタバレですけど、(ラストシーンは)そういう肌感覚がまったく感じられないモノとの出会いが哀しい、ってのを意識して書いたところもあるんです」
一同「おおー! なるほど!」
――そのあたり、ぜひ実際に『チュベローズで待ってる』を読んで、確かめてみてください!
取材・文/藤田美菜子、撮影/山川修一、日刊SPA!取材班
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イベント会場となった「歌舞伎町ブックセンター」では、『チュベローズで待ってる』ウィークとして、12月18日頃まで本棚が『チュベローズ』一色に!
加藤シゲアキファン、『チュベローズ』ファンは、ぜひ記念撮影に訪れてみては?
「歌舞伎町ブックセンター」
〒160-0021 東京都新宿区歌舞伎町2-28-14

歌舞伎町のど真ん中にある「歌舞伎町ブックセンター」
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『チュベローズで待ってる AGE22』 歌舞伎町の夜に交わる男と女のミステリー巨編 ![]() |
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『チュベローズで待ってる AGE32』 すべてを覆す愛と衝撃のラストシーンに驚嘆 ![]() |
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