エンタメ

「加藤シゲアキはナンバーワンホストになれる」元カリスマホスト・手塚マキ

 作家・加藤シゲアキの最新長編小説『チュベローズで待ってる(AGE22AGE32)』の刊行を記念して開催されたスペシャルトークイベントの様子をお届けするルポの後編。  MCに吉本興業所属のピン芸人・タケト氏。壇上に著者・加藤シゲアキ、作家仲間である芥川賞作家・羽田圭介氏、元カリスマホストである「歌舞伎町ブックセンター」オーナーの手塚マキ氏。そして聞き手に歌舞伎町のホスト&キャバ嬢の皆さんを迎え、ここでしか聞けない意外な話が次々と飛び出した。
スクリーン

会場のスクリーンに映し出された『チュベローズで待ってる』の書影

MC

MCのピン芸人、タケト氏

――元ホストの手塚さんは、『チュベローズで待ってる』をどう読まれましたか? 手塚「本当に“超売れっ子ホスト”の気持ちを持ってる主人公だなと思いました。ただ、その人間性を知るには、下巻まで読まないとわからない。下巻を読んではじめて、『ああ、だから彼は売れっ子になれたんだな』とわかる。これって実は、ここにいるホストの中でも、5年以上ホストやってないとわからないようなレベルの高い話なんですよ」 加藤「ぼくはホストには行ったことがなくて、今回取材もしていない。だから、そのあたりのリアリティがどうなのかなということは、書きながら不安ではあったんです。ホストクラブに行ったことがない人もたくさん読むでしょうから、こんなホストクラブありそうだなとか、こうだったら面白いなというところから想像を広げていった部分がかなりある」 手塚「ホストクラブとしてリアルかどうかという話は別として、ホストとしての心情(の描き方)がすごいんですよ。お客さんとの主従関係、相手をコントロールするのか、コントロールされるのかという部分を、どのホストもすごく悩むんです。どっち側についても構わないんですけど、どっち側の気持ちもわかっているということがホストにとってはすごく大事。それを、主人公はちゃんとわかってますよね」 加藤「僕がジャニーズとして人生の半分以上をやってきたので、お客様を楽しませるというところで、ホストと重なる部分もあるのかもしれない」 手塚「共通点はもちろんあると思うんですけど、たくさんの人と接するのと、ひとりの人間に接するのとは、やはりちょっと違う。ひとりの相手と接したときに、どれだけ自分の責任だったり罪悪感だったりを背負えるかというのが、ホストとしてはすごく大事で、そういう部分を彼は持ってると思ったんですよね。そのことが下巻を読むとすごくわかる。先ほど伏線の話が出てきましたけど、心の話というか、主人公自身の人間性も回収されていくのが面白いなとぼくは思いました」
オーナー

「歌舞伎町ブックセンター」オーナーの手塚マキ氏

――ちなみに、NEWSのメンバーでホストになったら誰がいちばん活躍すると思います? 加藤「イメージだけで言うと、みんな手越って言うと思うんですよ。金髪だし、王子キャラだし。でも、1位とかじゃなくて、3番手くらいで盛り上げる気配りの人っているじゃないですか。あえて3枚目の役を引き受けるみたいな。その感じはすごく小山さんっぽい。彼は毎日キャスターやってますから、いろんなことの知識もあるし、時事ネタも行けるし、NEWSでもリーダーなので、受け皿になってくれるというか、なにやっても会話をまとめてくれたり、スムーズにつなげてくれるし。だから、意外と小山さんがホストに向いてるんじゃないかと思いますね。というか、もともとホストっぽいんですよ。10年くらいの前の写真を見ると、ホストにしか見えないですよ(笑)」 手塚「でも、おっしゃるとおりですね。スターでワーって騒がれる人よりも、周りによく気がつく人の方がホストは向いてます。一番になるより、誰かの代わりになるのがホストの役目だと思うので。主役はお客さんですから、周りをちゃんと見られる人の方が売れますし、正しいホストのあり方だと思いますよ」 ――加藤さんはどうですか? 手塚「そもそもさっきの発言自体が超ホスト。周りのスタッフやグループのメンバーをすごく客観的に見ているじゃないですか。『チュベローズ』の主人公も、他人のいいところを悪いところを受け入れていますよね。いいホストってやっぱり“もらえる”かどうかなんです。お客さんが悩んでいる問題に対して、ちゃんと自分もそれをもらえるかどうか。もらっちゃいすぎると僕たちも病んじゃうんですけど、ちゃんと悲しめるか、ちゃんと喜べるかということがすごく大事で、あの主人公はしっかりちゃんと受け止めている。そこが一流だと思う」 ――加藤さんはナンバーワンになれます? 手塚「なれますね」 加藤「でもぼく、弱点があって、人見知りなんですよ」 手塚「みんなそう言いません? ホストって、だいたい人見知りですよ」 (ウンウンと頷く聴衆) 加藤「絶対ウソでしょって方々が頷いてますよ! そういうものなんですね」
羽田さん

芥川賞作家の羽田圭介氏

――羽田さんはどうでしょう? 羽田(愛嬌たっぷりに)「ケースケです!」 ――こんな角刈りホスト、いていいんですか(笑) 手塚「ビジュアルを別として考えると(笑)、ちょっと偏っているというか、不器用タイプですよね。自分の言いたいことをがーっとしゃべるタイプ。羽田さんのような天才肌は、なかなかこの仕事(ホスト)ってのは難しいですよね。相手との同調のなかでうまく逸脱するのがぼくたちの仕事なんだけど、羽田さんみたいな方は普段から逸脱してるので……」
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『チュベローズで待ってる』の読みどころは?
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イベント会場となった「歌舞伎町ブックセンター」では、『チュベローズで待ってる』ウィークとして、12月18日頃まで本棚が『チュベローズ』一色に!

加藤シゲアキファン、『チュベローズ』ファンは、ぜひ記念撮影に訪れてみては?

「歌舞伎町ブックセンター」
〒160-0021 東京都新宿区歌舞伎町2-28-14

歌舞伎町ブックセンター
歌舞伎町のど真ん中にある「歌舞伎町ブックセンター」

チュベローズで待ってる AGE22

歌舞伎町の夜に交わる男と女のミステリー巨編


チュベローズで待ってる AGE32

すべてを覆す愛と衝撃のラストシーンに驚嘆

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