日本酒「獺祭」はここまで売れるほどウマいのか?
コンビニフードやファストファッションなど、さまざまなジャンルで圧倒的な人気を誇る商品がある。それらは、「売れているから」という理由で手に取りがちだが、果たして本当にすばらしい商品なのか? 専門家がその実力をジャッジ!
<日本酒>
[ひとり勝ち] 獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分(旭酒造・720ml 5142円)
[大穴] むすひ(寺田本家・720ml 1512円)
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日本酒に詳しくない人でも名前は知っているほど人気の日本酒・獺祭。精米歩合23%を実現した「純米大吟醸磨き二割三分」はプレミアがつくほどだ。
「米をどれくらい精白しているか、精米前の玄米の重さに対する精米後の白米の割合を示す精米歩合。これが低ければ低いほど手間とコストがかかるので値段が高いお酒になります。発売当時は二割三分以下の精米歩合の日本酒はほとんどほかになかったため、獺祭は大きな注目を集めました。
安倍首相が、オバマ元アメリカ大統領訪日の際にプレゼントしたというエピソードや、旧来の酒造りの常識にとらわれずに工場化することでデータを管理し、クオリティの向上につなげるというスタンスも含めて、人気につながったのだと思います」とは、きき酒師の資格を持ち、都内で和食店を営む新倉ごま氏。ただ、現在は精米歩合が二割三分以下の日本酒は複数ある。
「現在は購入が難しいかもしれませんが、楯の川酒造の『光明』は精米歩合1%を実現しました。お値段も四合瓶で10万8000円と飛び抜けていますが、精米歩合50%の純米大吟醸と比較しても50倍の米を使うわけですから、相応の値段といえます」
ただ、精米歩合が低い酒が誰にとってもおいしいわけではないという。
「味の好みは人それぞれです。酸味が強く好みは分かれますが、精米歩合100%、発芽玄米を日本酒にした『むすひ』は、田んぼの土の改良からこだわって作った米を、精白せずに造った日本酒。発想は真逆ですが従来の日本酒の概念を覆すという意味では獺祭に劣らないインパクトがあります」
●判定
精米歩合を極めるなら1%の「光明」。真逆の革新性なら「むすひ」
※価格はすべて税込み。希望小売価格のないものは実勢価格で表記しています。商品は次期により、販売終了する場合があります。
―[ひとり勝ち商品]の実力を検証してみた ―
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