R-30

女子社員の告発におびえる「セクハラ・パワハラおやじ」たち。隠ぺい工作も陰湿すぎる

 世界的にセクハラ・パワハラ告発が相次いでいるなか、日本の“ブラック上司”たちの一部は、「いつか告発されるかも…」とおびえているという。

 ところが、ブラック上司たちは反省するどころか、「告発しないよう部下にプレッシャーをかける」という新たな問題が起きているらしいのだ。

ブラック上司

「チクるなよ!」 パワハラの上塗りで隠ぺい


 東京・港区の大衆居酒屋。某証券会社に勤務する老若男女十数人が集まり、にぎやかに酒を飲んでいた。酒が苦手な女性社員の川村さん(28)がウーロン茶を手に女性同僚と他愛もない話に花を咲かせていたとき、男性上司(52)がフラフラとやってきて、酒臭い息を吹きかけながらこう言い放った。

「なあ川村、俺はパワハラもセクハラもしてないよなあ。人事や労組にチクんじゃねえぞ!

 いま多くの企業・団体が「セクハラやパワハラをなくす」と宣言しているが、「現場レベルでは、なくなるわけがない……」と川村さんは言う。冒頭のシーンは、まさに川村さんの発言を裏付けるものだ。

「その上司は普段、サービス残業や休日(在宅)ワークを強いるだけでなく、気に入らない部下には徹底的に圧力をかけて辞めさせたりする。一方で、若くて美人の女性社員には優しくて、サシで飲みに誘ったり、スナックでは体を密着させてデュエットを迫ったりします。
 誰もがセクハラやパワハラの権化だと思っていますが、最近、『人事や労組にチクるな』と圧力をかけてくるんです」(川村さん)

 セクハラやパワハラを行ってきた上司が、さらにパワハラやセクハラの上塗りをして隠ぺいする。まさに時代に逆行したようなことが、現場レベルで横行しているのだという。

「いままで僕たちを恫喝してきた上司が、急に優しくなって『俺が厳しいのは優しさなんだよ』と言ってきました。冗談じゃありません。同僚数人で人事部に告発しようと準備していましたが、その動きを察知してか、何人かを飲みに誘って泣き落とそうとしているんです」

 こう打ち明けるのは、都内の大手保険代理店に勤める男性・Aさん(30)。今まで、Aさんをバカだアホだと怒鳴りつけ、失敗した部下を全員で無視するよう指導したりしてきた男性上司が、ここ最近のパワハラやセクハラ問題のニュースを見て危機感を覚えたのか、急に態度を変えたというのだ。

 部下を飲みに誘っては、自分のパワハラを「正当化」するような勝手な持論を展開し、最後は「でも時代が違うんだよな、時代が…」と嘆いてみせる。

 女性社員の一部には、あろうことか「俺はお前を娘のように思ってるんだ……」などと、酔っぱらって抱きついたりしているというから、もう救いようがない。

「恫喝と泣き落としを繰り返す姿は、まさにDV(ドメスティックバイオレンス)男みたいですね。社会人としても、上に立つ立場としても…というか、そもそも人間として終わっている」(Aさん)

 大阪府内のメガバンク女性社員・渡辺さんも、上司から二重のセクハラ被害を受けているという。

「彼氏はいないのか、エッチの頻度は……とか、毎日のようにセクハラ発言を受けてきました。社内でもセクハラやパワハラの実態調査があったのですが、その上司は『お前らを女としてみていない』とか『ブスやババアのくせに調子に乗るな』と開き直るんです」(渡辺さん)

次のページ 
日本ではどこか“他人事”のよう

1
2




おすすめ記事