逆に迷惑!「働き方改革」で会社から旅行プレゼント…の落とし穴
安倍政権の目玉である働き方改革関連法案。ずるずると不毛な議論を続けつつ、ようやく具体的な内容が見えてきた。結果は“働かせ方改革”と揶揄されるほど、管理サイド寄りのズレたことばかり。いち早くお国の動きに反応した企業にも、おかしなレボリューション旋風がちらほら巻き起こっているようだ。
働き方改革の一環として、業績に応じてインセンティブを与える企業も増えてきた。今回はその結果、会社から“旅行”をプレゼントされたというIさん(38歳)のケースを紹介しよう。一見おいしい話にも思えるが、「デメリットだらけ」だという。果たして、その理由は……!?
Iさんが勤めている飲料メーカーでは、ここ数年で成績に応じたインセンティブが与えられるようになった。
「元々、営業部では個々のノルマ達成率によってボーナスがもらえたのですが、新しく加わったのは担当地域で区切られたチームごとの評価。東北チーム、北関東チーム、東京チームといった感じですね」
個人戦だけでなく、団体戦も開催されるようになったというわけだ。
「達成率をベースにランキング付けされ、上位3チームの全員にボーナスが。3位には10万円以下の家電、2位は国内旅行、トップになれば海外旅行です。しかも、チームで相談して商品や場所を指定できるんです」
個人ボーナスとは別に支給されるので、とてもおいしい話なのかと思いきや、実際にはそうでもないらしい。
「まず、チームで希望を揃えないといけないのが難。どうしたってエリアマネージャーや上司の意見優先になりますよ……。私が所属するチームは2年連続で国内旅行を頂いたのですが、2度とも福井県でした。『帰省したい!』とマネジャーが強硬に主張するせいです」
Iさん含め、他メンバーのほとんどが非日常感を味わえる沖縄希望にも関わらず、たった1人のプッシュを通すしかない空気だったそう。
「1度目は許せました。何か機会がないと行かない気がしましたし。でも、2年連続はキツい。家族同行OKなのが救いとはいえ、恐竜博物館も2度目では息子のテンション低めです」

問題だらけの“インセンティブ”に現場の社員は涙目…
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編集プロダクション勤務を経て、2002年にフリーランスとして独立。GETON!(学習研究社)、ストリートJACK(KK ベストセラーズ)、スマート(宝島社)、411、GOOUT、THE DAY(すべて三栄書房)など、ファッション誌を中心に活動する。また、紙媒体だけでなくOCEANSウェブやDiyer(s)をはじめとするWEBマガジンも担当。その他、ペットや美容、グルメ、スポーツ、カルチャーといった多ジャンルに携わり、メディア問わず寄稿している。
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