サッカー代表、中島翔哉の落選に騒然。若いスターを敬遠する日本社会そのもの
西野監督が言う「ポリバレント」は使い勝手がいい奴?
そんな中で印象的だったのは、元Jリーガーの石塚啓次氏(43)の分析だ。個性豊かなプレーと言動で“天才司令塔”と呼ばれた石塚氏が見たのは、悪い意味での日本らしさだった。 西野氏の言う“ポリバレント”を「器用で使い勝手がエエ奴」のことだと切り捨て、「得意な事を伸ばすんじゃなくて苦手な事を克服するって教育やししゃーないか、、、」と語ったのである。今回の選考で言えば、長所を持つ人間よりも短所のない人間が優先されたという見立てになる。
自信がないリーダーほど、安パイな人材を選ぶ
ともあれ、こうした急場しのぎの処置は現場に混乱しかもたらさない。全米でベストセラーになった『GREAT AT WORK』(著 Morten Hansen)という本がある。限られた仕事量で最大の成果をあげる方法を論じた一冊で、その中で北極レースのエピソードが例に挙げられていた。犬ぞりしかなかったアムンセンのチームに対して、巨額の予算と豊富な移動手段を準備していたスコットのチームはなぜ敗れてしまったのだろうか? それはアムンセンが犬ぞりの質を上げることに専念できたのに対して、選択肢が多いスコットにはくだらない心配事が増えただけで、肝心の仕事にまで手が回らなくなってしまったからだという。 具体的な戦略の「絵が描けない」にもかかわらず、頭数だけでも便利屋を確保しておきたいと躍起になる日本代表がどちらにあたるかは言うまでもないだろう。
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