ハリル解任でファンの間に渦巻く“ある陰謀論”
ヴァヒド・ハリルホジッチ前日本代表監督(65、以下ハリル氏)の解任が波紋を呼んでいる。ワールドカップまで2ヶ月という差し迫った時期の判断に加え、理由が釈然としないからだ。日本サッカー協会の田嶋幸三会長(60)は「チームが一緒になって信頼しあい、コミュニケーションを取り合うことができないと思ったから」と説明したが、納得する人はほとんどいないだろう。
4月10日、フランスのハリル氏の自宅を直撃した日刊スポーツに対して、ハリル氏は解任に対して怒りをあらわにしつつ、「誰も(今回の解任劇を)理解できていない。日本で(真実を)話すつもりだ」と語ったという(日刊スポーツ4月11日配信)。
そんな中、いま一部サッカーファンの間で“陰謀論”が渦巻いている。解任劇の背景には、スポンサー等の問題が絡み合った“オトナの事情”があるのではないかというのだ。
つまり、人気があって企業広告にも出ている選手たちをハリル氏が起用しないために、視聴率が上がらずスポンサーも不満を持っている、そこで何らかの圧力が働いたのではないか……という“読み”である。
『サッカーキング』電子版が紹介した仏誌『France Football』の記事には、ハリル氏に選ばれなかった元代表選手たちが「協会に働きかけをした」ことをほのめかす記述もあった。
これを鵜呑みにすることはできないが、一方でこう語る協会幹部もいたという。
「昨秋に本田(圭佑)を外した頃からおかしくなった。結果も出ていないし、テレビの視聴率も下がり、国民の期待値も下がっていた。こんなにうまくいかなかったことは今までない」(毎日新聞、4月9日より)。
つまりハリル氏の問題は監督としての能力ではなくテレビ受けが悪いことだと言っているように読めるのだ。そう考える上層部に対して、冷や飯を食っている選手がここぞとばかりに不満を訴える。ありがちと言えばありがちな話だ。“陰謀論”が囁かれる一つの要因だと言える。

ハリルホジッチ監督(撮影/難波 雄史)
“スポンサーがらみ”を勘ぐるファンたち
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