ハリル解任で「日本らしいサッカー」連発の新体制に「またかよ…」の声
ハリルホジッチ前監督(65)の電撃解任を受け、新たにサッカー日本代表の監督に就任した西野朗氏(63)。だが、一連の記者会見に不安を覚えたサッカーファンも多いだろう。説明に困ると、“日本らしさ”というフレーズに頼り切りだったからだ。発言を振り返ってみよう。
4月9日の会見で、突然の決定に協会が指針を見失っているのではないかと問われると、田嶋幸三サッカー協会会長(60)はこう答えた。
「日本らしいサッカーが確立されてきているなかで、私はそれをしっかりと志向してほしいと思います」
「日本らしいサッカーというのは、しっかりとボールを繋いでいくこと」
「常に世界にアタックしていくことで、それが自然に日本のサッカーになっていくものだと思っています」
(『サッカーダイジェスト』web 4月10日、会見全文より)
西野氏の場合はこうだ。
「日本化したフットボール、構築してきたものがあります。技術を最大限に生かしたり、戦い方においても組織や規律、結束したうえで化学反応を起こして戦える強さ」、これが「日本人のDNAでやれること」なのだそうだ。
(『サッカーキング』web 4月12日、会見全文より)
こうした要領を得ない発言に、長年のファンなら思い当たるフシがあるだろう。
そう、これは惨敗を喫した2014年のワールドカップブラジル大会でもしきりに言われた“自分たちのサッカー”の再来なのである。実際、会見後のネットには「雰囲気暗い」とか「不安しか感じない」といった反応の他に、「またかよ」とうんざりする声が見受けられた。
もちろんアイデンティティを追求すること自体に何ら問題はない。しかし、日本代表が言い出すと途端に薄っぺらくなるのには理由がある。
それは明確なメソッドやコンセプトの裏付けがあるわけではなく、思考停止に陥り、神頼みするしかない状況になったときにしか出てこない自分らしさや日本らしさだからだ。
田嶋氏や西野氏のコメントを見ても分かる通り、そこには健全な批判精神が存在しない。ネガティブな要素に目をつぶることでしか描けない無責任なポジティブさだから、虚しさを覚えるのだ。
ブラジルW杯で惨敗した「自分たちのサッカー」の再来

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