更新日:2018年06月13日 14:40
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小児性愛は病気なのか?人口の5%いる彼らの犯罪を防ぐには

 新潟市で小学2年生の女児が殺害された事件で、5月14日、近所に住む電気工事士(23歳)が逮捕された。少しずつ事件の輪郭が明らかになるにつれて「またか……」の思いを抱いた人も多いだろう。
ランドセルを背負った小学生

※以下、写真はイメージです

 「まじめ」「礼儀正しい青年」という周囲の印象とは裏腹に、今年1月には児童ポルノ禁止法違反で、4月には女子中学生の連れ回しなどの容疑で書類送検されていたという。  さらに、週刊誌報道によると、「中学生時代は遊び相手といえば小さな子どもだった」「いつも小さな子にベタベタと接する」といった記事もあり、今回の事件もいわゆる「ロリコン」――小児性愛者による犯罪で、しかも、再犯だったと見られる。  事件を受け、ネットなどでは「性癖は治らない。二度と外に出してはいけない」「極刑にしろ」「日本にもミーガン法のような犯罪歴を公開する法律を!」といった声が上がる。  「こういった事件のたびに、取材が殺到する」と言うのは、性障害専門医療センター(SOMEC)の代表理事で、精神科医の福井裕輝氏。  福井氏は、「厳罰化に反対はしないが、それだけでは性犯罪は防げない」と断言して、性障害者の治療に取り組んでいる。  そこで福井氏に聞いた。人はなぜ小児性愛者になるのか?治療はできるのか?

小児性愛はれっきとした“病気”

 まず、「ロリコン」とも言われる小児性愛は“病気”なのだろうか? 「小児性愛とは、『13歳未満の幼児や小児に対して、5歳以上年長の者が性嗜好を継続的に抱くこと』で、国際的な精神疾患の診断基準にも記載のある『性嗜好障害(パラフィリア)』のひとつです。  保険診療の対象ではないので、あまり知られていませんが、れっきとした医学的な診断名です」(福井氏、以下同)  性嗜好障害の中には、のぞきや盗撮に繋がりやすい「窃視障害」や、痴漢・強制わいせつに繋がりやすい「窃触障害」などもある。 「小児性愛」と診断名がつくのは、その性的衝動が繰り返し起こって苦痛だったり、実行に移したことがある、というのも基準の一つだ。  そして、小児性愛には「子どもにしか興味がない『純粋型』と、大人に興味はあるがなにかしらの理由で性的欲求が子どもに向かう『非純粋型』の2種類がある」と言う。 運動会純粋型については、遺伝性が高いことがわかっていて、3つくらいの遺伝子が関係しているのではないかというところまで推測されています。  ただし、遺伝性が高い=親もそうだということではなく、遺伝子による先天的な特徴だということ。  一方で、非純粋型については、ストレスがたまってとか、成人女性に相手にされないとか環境的要因が大きいとされます」  小児性愛の原因については、数は多くはないものの研究は進められていて、脳の機能画像などの分析も行われているそう。なかには、興味深い論文もあり、40歳をすぎて突然小児性愛となった男性の脳を調べたら、前頭葉に大きな脳腫瘍があり、腫瘍を摘出したら小児性愛も治ったという事例もあるとか。
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教師の小児性愛者比率は、驚くほど高い
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