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「小児性愛は治せる」と医師が断言。犯罪を起こさせない治療法とは

 新潟小2女児殺害事件のショックも冷めやらないなか、5月30日には2004年に起きた岡山・小3女児殺害事件で勝田州彦容疑者(39)が逮捕された。

 勝田容疑者は、女子中学生殺人未遂で服役中で、公判では「女の子の痛がる顔を見ると、性的に興奮する」と供述。過去にも女児への暴行で懲役4年の実刑判決を受けたことがあり、小児性愛と性的サディズムが複合した性障害だと報道されている。

手錠

※以下、写真はイメージです

 こんな性犯罪者は一生牢屋にブチ込んでおけ!と言いたくもなるが、刑法上、そうもいかない。ではどうするのか?

 「被害者を生まないためには、加害者をなくすしかない」と言うのは、精神科医の福井裕輝氏だ。福井氏は2010年に「性障害専門医療センター」を設立、加害者治療の必要性を説き、実践を続けている数少ない精神科医の一人である。

 前回の記事(「小児性愛は病気なのか?人口の5%いる彼らの犯罪を防ぐには」)のとおり、「小児性愛」は性障害のひとつで、れっきとした診断名。つまり病気で、治療が必要なのだ。

 では小児性愛の治療とは何をするのか。

小児性愛の衝動は薬で抑えられる


「治療方法は他の性嗜好障害と基本的に同じで、『薬物療法』と『認知行動療法』の2本立てです。

 薬物療法は男性ホルモンを抑制する薬を投与し、単純に性欲を下げる。量にもよりますが、強力に投与すれば性欲がまったくなくなるくらいまで下げることもできます。欲求自体を抑えられるのは、再犯防止には非常に大きいんですよ」(福井氏、以下同)

性障害専門医療センター

性障害専門医療センター公式サイトから、本人や家族が治療の相談・申し込みができる http://www.somec.org/

 例えば、薬物依存では「覚醒剤を使いたい!」という欲求自体をなくす薬はない。アルコール依存症でも、お酒を少しでも飲むと吐き気や頭痛がするといった「抗酒剤」はあっても、「酒が飲みたい!」という気持ち自体をなくす薬はない。

 しかし、小児性愛は投薬によって、その衝動自体を抑えられる。その点で「小児性愛は治療がしやすい」と福井氏は言う。意外な事実である。

行動のひとつひとつに歯止めをかける


 では、薬物療法と同時並行で行われる認知行動療法は、どんなことを行うのかというと……「悩みをじっくり聞いてくれるカウンセリングのようなものをイメージするかもしれませんが、もっと実践的」なのだという。

 例えば――児童ポルノを見る/小学生が帰宅する時間になったら出かけて、子どもを物色をする/誰か見かけたら声をかける/着いて来なかったら別の子を物色する/ニコニコとついてくる子がいたら、人影のないところに連れて行く/わいせつな行為をする――。こうした犯罪へとつながる行動ひとつひとつに、歯止めをかけていくというイメージだそう。

登校する小学生「そもそも、子どもの登下校の時間帯に外出しなければ事件は防げます。そのためにはどうしたらいいか? でも、たまたま買い物に出てしまい声をかけてしまったとする。では、そこから犯罪に至らないためにどうしたらいいか? といった具合です」

 他にも精神的な要因があることが多いため、例えば仕事での過度のストレスが原因になるのであれば、ストレスに対するコーピング(対処)の技術を身につけるとか。幼少期に性的虐待などのトラウマがあって、それが児童に向いているのであれば、アンガーマネジメントで怒りの感情をコントロールするとか。

「『自分が声をかけたら子どもが楽しそうに答えてくれた。それは自分に対して性的関心をもっているからだ』といった誤った考えを抱いたりするので、そうした認知の歪みを変えていくといったことも行います。さまざまな手段をつかって、実行に移すことを防ぐ。他のどんな性犯罪でも方法論は同じです」

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3~5年で小児性愛は治療できる

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