そして、まさかの「浅丘ルリ子」
その盛り上がりに呼応するように、ジュニアさんもまた意外な球を投げてきた。ステージのスクリーンに映された文字は、
「浅丘ルリ子」。「ええっ!?」という驚きの声が観客だけでなく後輩芸人たちからも出るなか、
「最近、たまにご飯いくねん」と衝撃のエピソードを語り始めた。
映し出された「浅丘ルリ子」に騒然となる会場
実はテレビっ子の浅丘ルリ子さんは以前からジュニアさんに興味があったらしく、共通の知人を介して知り合ったという。
初めて会う日の待ち合わせ場所は、なんと浅丘ルリ子さんの自宅。
「正直、しんどいやろうなと思ってたんです。芸人の師匠とかでも一緒にいると気使うやん。『何時まで続くんや、これ』『誰が笑うん、それ』って。それがまったくない。俺こんなことまあ言わへんけど、
気づいたら『2軒目どうします?』って言うてたもん」(ジュニアさん)
これには観客以上に後輩芸人たちが「うええ~つ!?」と驚愕。ジュニアさんが自ら2軒目に誘うというのはよほどレアなことらしい。
さてこの夜、誰かを表彰する一方で必ず別の人にdisを入れている男がいた。それは中本さん。彼は表彰したい相手として、満員の終電の中で吐いた男性を介抱した
「電車の中のおばさん」を挙げた時、その場にいた女性への怒りを語りはじめた。
中本さんの独特すぎる怒りに笑うジュニアさん
「近くの女性がtwitterにつぶやいてるのが見えたんですよ。『電車の中でゲロを素手ですくって片付けている女性を見た。私もそんな女性になれたらいいな』って。それを見て、すごく腹が立ったんです!
お前はいい人に見られたいだけだろ、おばさんを利用するな!と。
で、彼女に説教してやったんですよ。そしたら大きな声を出したからか、電車からおろされんですよ、終電だったのに!」(中本さん)
「女性の携帯を覗いて話しかけるお前がおかしい」と他の後輩芸人たちから突っ込まれながらも、それでもめげない中本さんは
「優しさの順位」という独自の論を展開しはじめた。
「優しさの順位で言えば、1位はおばさんで、2位はおばさんを利用するその女性に怒った僕で、その女性は最下位なんですよ!」(中本さん)
そこですかさずジュニアさんが
「1位はおばさん、2位はその女性、3位は吐いた男性、4位はお前や!」と制すと、会場からは同意の拍手が起こった。
絶縁状を送りつけたい女優、女子アナ、芸人…
こうしてさまざまなエピソードが登場した前半戦だったが、ライブ配信なし、SNSに投稿もNGな後半戦に突入すると、
「お前何様? な女優」や
「持論を展開したがる女子アナ」、
「ゴリゴリに変装しているのに挨拶しないと怒る先輩芸人」などなど、さまざまな著名人の名前が飛び出し、客席もステージも大盛り上がりだった(ここでは名前が出せません、すみません!)。
名前が出せないのが残念!
最後に何か言い残したことはないか聞かれると、ジュニアさんは思い出したように、
「あ、一番表彰したいのはこれや」といきなり靴を脱いだ足を上げた。
「こういう浅めの靴下(カバーソックス)って靴の中で脱げてゴチャゴチャするやん? でもこの無印(良品)の靴下は300円くらいやねんけど、全然脱げへんねん。これこそ表彰した方がいい」(ジュニアさん)
片足を上げたジュニアさんに向かって客席が拍手をするというシュールな画でイベントは幕を閉じた。
<取材・文/日刊SPA!取材班 撮影/難波雄史>