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自衛隊が高速道路を使えない理由に驚愕。米軍は使い放題なのに…

「自衛隊ができない40のこと 33」  自衛隊の予算は自衛隊が周辺諸国と戦うために必要なものを積み上げていくお金を要求する形が許されていません。自衛隊の予算は制服組の上にいる背広組の内局という財務省や公安から出向した人たちと一部の制服組で構成される内局が概算要求案をだします。財務省主導型ですから、当然、「ともかく前年度よりも減らせ! 弾薬も修繕費も人件費も燃料費も足らない? そんなことは知らん。ともかく減らせ!」という形でまとめられます。

予算がなくて高速代さえ出せない自衛隊

 自民党が防衛予算を対GDP比の2%まで引き上げる提言をしていても省庁の内部構造が変わらない以上、今年はさらに「高速代はゼロにする。前年度比70%を目指せ!」という大号令で、防衛省内の予算を削りに削る作業が始まっています。必要な修理も必要な消耗品も必要な人員増員ももちろんできませんし、イザとなったときに敵を叩ける燃料も弾薬もないことが毎年の概算予算請求段階ですら確定しています。国を守るよりもともかく今の支出を減らすことを優先する国なのが情けないです。  さて高速道路代はすでに削りに削られ、自衛隊の車両が高速道路ですれ違うことがなくなったと皆さんも感じていませんか? それは高速代がないからです(涙)。
自衛隊

陸上自衛隊HPより引用

 すでに自衛隊は旅費と呼ばれる予算がほとんどありません。だからバスや新幹線などで隊員を輸送すれば早く隊員への体の負担もなく現地につけるところを、到着に長時間かける強行軍で乗り切っています。自衛隊に予算がないということは日常の訓練や業務に無駄に時間がかかるということです。潤沢な予算と人員を持ち虎視眈々と我が国を狙って日々訓練を積む脅威に対して、我が国は隊員を消耗させても予算をケチることが重要と考えているのです。頭が痛いですね。

クッションがない車で「下の道」…自衛官は坐骨神経痛に

 高速代が削減されたことで日常的な訓練や演習に支障がでるのは当然です。これまで予定していた時間内に演習場にたどり着けず、隊員の体への負担は増大します。 「自衛隊の車はクッションがないから、腰にガツンガツンと縦揺れが刺さる。1日乗ると関節がきしんで歩くと腰に激痛が走る。マジでヤバイ」と聞いたことがあります。  長時間の下道走行は道の凹凸が激しく足腰に容赦なく振動が襲いかかります。陸上自衛隊員は在籍年数が長ければ長いほど坐骨神経痛に苦しみます。この坐骨神経痛は労災扱いにならないのでしょうかね? クッションのある長距離バスでの移動でもつらいのに硬いむき出しのシートは拷問です。隊員の体への負担を度外視しての結果で坐骨神経痛になるのなら、その代償を国は払うべきではないでしょうか。出張や訓練や各種管理業務の点検に必要な運搬費は年々削られ、旅費も上級幹部ならまだしも、一般隊員はほぼゼロです。  せっかく志願した屈強で健康な隊員なのですから、元気いっぱいにさっそうと訓練してほしいものです。訓練前に足腰ボロボロにする移動を強いるなど愚の骨頂です。

演習に遅れ、着いたときにはヘロヘロ

「去年と同じ時間にでたのに、なんで到着時間が遅れる。気を引き締めろ!」と演習地についたとたん上官に怒られた隊員もいます。そりゃ下道走れば遅くなります。上官からの叱責に愚痴を言いたいでしょうが、唇を噛んで耐えるしかありません。演習場が使える限られた時間を目いっぱい使いたい上官もイライラするでしょうが、去年よりも早く起き去年よりも疲れ切って到着した隊員も辛いのです。 「早朝の暗いうちからスタートし、数百kmを下道走破。着いた時は足腰痛くてヘロヘロ」というぼやきを聞いたことも。演習場に到着した時点でヘロヘロです。だから、まともな訓練にならず、さらに怒られます。そんなことが今後続くのです。  昨年の 防衛予算の概算要求額は歴代最高額の5兆1900億円だったそうです。微増でしかないのに増えたと印象づける報道が多いようです。ミサイル防衛や南西諸島沖の外国公船出没対応、さらに領空近くや宮古島海峡などを通り抜ける外国の爆撃機対処などが続く中、予算はほとんど横ばいです。対処事案が増え続けるなか、微増程度では全く足らずさらに日常の活動費用を削るしかありません。自衛隊の消耗品補充や修理予算も足らず、交換すべき時期を過ぎていてもタイヤを騙し騙し使っている有様です。さらに高速道路を使えず、下道を走るならタイヤの劣化も激しくなります。溝の無いタイヤを使って事故を起こすわけにも行かず、封印され使えない車両が増えていくのです。
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米軍は高速代が無料!
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