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結婚前に浮気にチャレンジするカップル。果たして愛は深まるのか? 映画『結婚まで1%』

―[モテる映画工学]―
~ 藤沢数希のモテる映画工学『結婚まで1%』~
結婚まで1%

『結婚まで1%』©2017 Permission Movie, LLC. All Rights Reserved

結婚前に浮気にチャレンジするカップル。浮気によって愛は深まるのか?

 ニューヨークの大学院で博士論文を書くアンナと、オシャレな家具を作って売っているウィルは互いが初めての相手で長年付き合っていたが、アンナの30歳の誕生日を前に結婚を意識し始める。そんな彼らだったが、アンナの誕生日ディナーを一緒に祝ってくれたゲイのカップルの友人たちから「お互いしか知らなくて、本当にいいのか?」とけしかけられる。これがきっかけとなり、結婚する前にお互い公認で浮気にチャレンジすることに。  アンナとウィルは処女と童貞のカップルだったが二人とも非モテという設定ではない。お互いルックスもまあまあよく、ある程度は社交的でコミュ障でもない。実際、アンナは浮気が公認になってから、ウィルの目の前でクラブでナンパしてきたイケメンとあっさりと関係を持ってしまう。ウィルのほうも自分の店に来た客の女性に誘われ、そのまま関係を持つ。  恋愛映画には2種類あってファンタジーのような理想の異性が描かれているものと、浮気したり時に相手を欺いたりする現実の女、あるいは男を描いたものがある。そして、この映画は後者だ。  さて、恋愛工学には「セックストリガー理論」がある。女は好きな男とセックスするのではなく、たまたまセックスした男を好きになってしまうというものだ。アンナは単に結婚する前にほかの男とのセックスを試す目的でイケメンのチャラい男に抱かれたのだが、だんだんその男のことが気になってしまう。一方、ウィルのほうはアンナへの思いは変わらず、ほかの男と戯れているアンナのことがますます気になってしまう。二人はどうなってしまうのか、映画館で見届けよう。 『結婚まで1%』 配給/アットエンタテインメント 監督/ブライアン・クラーノ 出演/レベッカ・ホルほか 7月25日新宿シネマカリテにて公開
物理学研究者、投資銀行クオンツ・トレーダー職等を経て、作家・投資家。香港在住。著書に『外資系金融の終わり』『僕は愛を証明しようと思う』『コスパで考える学歴攻略法』などがある
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