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チャイナタウン化する西川口を訪れて…グルメファンは“本場の味”と絶賛するけれど

 かつて「NK流」と呼ばれる裏風俗のメッカとして全国の風俗マニアを虜にした埼玉「西川口」。しかしその後の一斉摘発により風俗店は大幅に減少。それにより一気に客足の鈍った西川口が、今マニアックな中華街として再び注目を集め、グルメファンが多数訪れているという。彼の地に何が起きているというのか? 中華料理には目がない筆者は、同地を訪れることにした。

味はそこそこでも繁盛する理由

 西川口にある中華料理店の多くは中国人が経営している。土日ともなると家族連れも多く、大繁盛と言っても良いお店も多い。中国語が飛び交う店内。値段も比較的リーズナブルな物が多く、味付けも現地の味と近い物が出される。そして店内メニューのほとんどが中国語表記。日本語を使う必要もなく、気軽に現地の味を食べられるとだけあり、中国人のお客が後を絶たないのだ。筆者はクチコミサイトで評判の良かった某店舗を訪れ、「麻婆豆腐」、「担担麺」など、中華の定番とも言うべきいくつかの料理を食べてみたのだが、素直な感想は「そこそこ」というもの。正直に言って、「まずい…」と思う料理もあった。それではなぜ今、日本人のグルメファンまでもが急増しているのか。  西川口のチャイナタウン化はマスコミでも取り上げられることが多く、ネット上のクチコミサイトには、実際に店舗に訪れた人の「本場の味」というクチコミが一人歩き。マニアックな中華街として注目を集め、食通が押し寄せる形となっている。筆者が実際に訪れる際に参考にしたいくつかのWEBサイトにもこの「本場の味」という謳い文句が数多く存在した。しかしクチコミを真に受け、首都圏では横浜に次ぐ「第2の中華街」を期待し訪れる人はきっと期待を下回る結果になるだろう。 「本場の味」=「日本人向けの味」という図式は成立しないからだ。なぜなら、日本人が好む中華料理の多くは大衆にも食べやすい味付けになっている。その為、「本格中華」を売りにしている巷の人気店も、本当の意味での「本場の味」ではない。西川口で食べることのできるこの「本場の味」は、あくまで中国人用の味であり、多くの日本人の口には合わないのだ。つまり、「西川口のチャイナタウン化」とは、観光名所としてのそれではなく、そのまんま現地化しているということがわかる。それは街の様子を見れば一目瞭然だ。筆者が西川口を訪れ一番驚いたのが、「街中を飛び交う中国語の多さ」である。家族連れからカップルまで、街中にごく普通に溶け込む中国人を見ると、中国に来た錯覚を起こすと言っても決して大袈裟ではないほど、中国人が圧倒的に多い。
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在日中国人の急激な増加
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