約1000万円の仮想通貨が盗まれた出野達也(23歳)。人生を波乱万丈へと導く首謀者・Aに誘われたのは、六本木の社長人脈が集う西麻布の地下のお店。そこで、「借金は資金」と謎かけをしてくる若きカリスマ経営者と出会う。「お金0.0」、連載23回目。盗まれて以後、漂流していた出野の現在地が明らかに!? 第23回　人間になりたい ——-先週からのつづき まろ「お金借りて買った車に【働いてもらったら】お金は増える。だけどさ、同業他社との競争ってのが必ずある。つまり、お金借りてまで買った車が無駄になることも結構ある。そうするとお金借りて買った車はお金を産み出さないから資産じゃない。って考えるんだよ。持ってるだけでお金出ていくもの、結構あるだろ」 出野「なるほど…その場合はどうしたらいいんですか」 まろ「魅力的な商品にするか、魅力的に見える商品にするかのどっちかだな。ちゃんとやるひとは魅力的な商品にするけど、立地が良いボッタクリ店とかエゲツない営業する会社とかは、お金もらったらそれでいいやって感覚だから商品自体の改善はしない。で、それでもダメなときなんかは資産自体を早めに売却しちゃうこともある」 出野「なんとなくわかった気がします！」 まろ「よし。じゃあテストね。お前がいま持ってる資産を書き出してみ」 出野「へ？」 まろ「資産」 出野「え…えーと、この、まだビットコインあるときに買ったiphoneXとかアップルウォッチとか…」 まろ「それ、お金産み出してる？」 出野「とくに産み出してません…」 まろ「じゃあ除外。いま現在、自分が生きてく上でお金に替えられているものを書き出してみてよ。それでタツヤの現在地が見える」 出野「ぼくの…現在地……」 ——- —- — まろ「制限時間5分。はいよーい、スタートー」 出野「え、あ、はい！ちょっとまってください！はい！」 まろ「書き方わかんないっしょ」 出野「はい。まるで」 まろ「まぁいいや、こうやって、左右に書き込むの。左側にいま持ってるお金書いて、右側に借金の総額書いてみ」 出野「はい！」 まろ「そうそう。そんな感じ。あと右側に、カードの支払い残高を［買掛金］って書いてみ」 出野「はい！」 ｶｷｶｷ… まろ「で、最後に、左側から右側を引いたものを、右側の下に［総資産］って名前で書いてみてくれる？」 出野「はい！！！」 ｶｷｶｷ…