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仮想通貨盗まれた男、バーで働き始める――「お金0.0」ビットコイン盗まレーター日記〈第21回〉

 約1000万円の仮想通貨が盗まれた出野達也(23歳)。連載開始、漫画化決定……するが、借金で首が回らない状況に1ミリも変わりはない。そんな中、人生を波乱万丈へと導く首謀者・Aに誘われたのは、六本木の社長人脈が集う西麻布の地下のお店。このお店で働くことが決定した。「お金0.0」、連載21回目。出野が出会う最初のお客さんは……?

仮想通貨で1000万円稼いだ若者を襲った悲劇のお話 第21回 

——-先週からのつづき

井戸「漫画家ちょっと座れ」

クニ「はい。座ってます」

井戸「あのな、おまえの言ってる【ちょっとかわいそう】ってのは、何もしないやつがよく使うことばだ。自分が何もしないことを正当化するために、小学校っぽいことしか言わない連中の言葉だ。だけどな、この店に来てる人間は納得のいかないことに出会ったら、徹底的に戦ったり楽しんだりしながら理想の状態に近づけていく。かわいそうとか不謹慎とか違和感があるとかけしからんとか言ってないで、どんどん行動に移すんだよ。自分の人生決めんのに、多数決で決めてっていいわけねぇだろ」

クニ「……」

達也「あの…」

井戸「なんだポンコツ」

達也「ぼく、がんばります。何がどうなるかまったくわかりませんが、幸い、失うものはありません。しばらくの間勉強させてください」

A「イイハナシダナー」

チカ「よかったわねぇ…♡」

井戸「そうだ漫画家、もうひとついいこと教えてやる。」

クニ「はい」

井戸「このチカちゃんは、彼氏募集中だ。そこ、しっかり漫画に描いてやってくれ」

クニ「や、やってみます…」

こうして僕と出野くんのミッションが決まった。

出野くんはこの店で数多くの起業家たちと出会い、人間の器を大きくしながら酒をつくる。

もし彼が無事立派な人物になれば、起業家のタマゴとして先輩方から認められ、彼が立ち上げる事業に出資をしてもらって社長になることもあるかもしれない。

とはいえそんな簡単に行くものだろうか。今年の頭までエキストラしかしたことのない役者のタマゴだった青年が、短期間の修行で起業家になることができるのか。

結論から言って、7月末現在、まだ出野くんは起業家にはなってない。そして今、ものすごく日焼けしている。

なぜまだ起業家になっていないのか。そしてなぜ真っ黒に日焼けしてるのか。そのあたりはまた追々描いていくとして、まずはバーでの勤務開始あたりから御覧ください。

——-
—-


勤務開始当日

チカ
「じゃ、今日からよろしくね♡」

出野
「はい!ぼく!こう見えても居酒屋で働いてましたから!なんでも任せてください!」

チカ
「そう…でも、ここは居酒屋とは違うから、よろしくね」

出野
「はい!」

—勤務開始1週間後

チカ
「じゃ、今日もよろしくね♡」

出野
「でもあれですね。先週お客さんあんまり来ませんでしたね。」

チカ
「それがね…達也くんが入ってなかった日なんだけど…」

出野
「はい」

チカ
「超満員だったの…」

出野
「え…」

チカ
「そうなのよ…。シャンパンもどんどん空いちゃって…なんかごめんね…」

出野
「いや!ダイジョブです!ほら!僕!座敷わらしみたいなものですから!僕がいるときとかじゃなくてお店が繁盛したらいいんです!ね!」

チカ
「だといいけど…」

—–ドカーン!

まろ
「こんばんわーーー!」

チカ
「あー!いらっしゃいませー♡先週はありがとうございましたー!」

まろ
「おう!ありがと!誰そいつ!なんかむかつくね!」

チカ
「アラ♡もうわかります?ほら、達也くん自己紹介」

出野
「はじめまして!!!ビットコイン盗まれーたーの出野達也です!」

まろ
「知ってる!!!!!連載読んだ!!いくら盗まれたんだっけ!?」

出野
「い…いっせんまんです…」

まろ
「そうかーーーーー大変だなぁ…。借金とかあるの?」


出野
「はい。親兄弟と親友から300万円ほど…」


まろ
「俺なんか借金60億あるぞ」

出野
「え?????」

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「まろさんはね、飲食店をたくさんやってるの」

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