「孤独死が多い街」はどこか。特殊清掃人が見た壮絶現場
東京五輪に向けて一段と注目が集まる首都圏。一見、好景気に沸くエリアも災害リスクや地価下落、さらにはご近所トラブルなどが潜む。そこで、首都圏の「ヤバい街」を各ジャンルのプロが指摘。人気な街の“意外な顔”が明らかになる!
「この物件は孤独死した50代の男性住人の遺体と一緒に、ペットの猫が腐敗した死骸となって十何匹も発見されています。バブル期には投資用物件として人気でしたが、今は家賃が下がって所得がそれほど高くない人も入居するようになり、開かずの間が増えているんですよ」
現場となったのは都内の某人気エリアのマンションの一室。鼻を突く獣臭が漂う部屋の中で、淡々と状況を語るのは事件現場清掃会社の高江洲敦氏。そんなプロの特殊清掃人の経験から「孤独死が多い街」とその共通点を探る。
「首都圏を環状に結ぶ16号線という国道の周辺には、郊外型のベッドタウンや団地、古い住宅アパートなどが数多く点在しています。こういったエリアは中高年層の単身世帯や独り身の高齢者が多いので、結果的に孤独死を含む特殊清掃の案件も集中しています。
具体的に挙げるとすれば、都内は町田、小平、多摩センター、東十条。神奈川県だと横浜、新百合ヶ丘、鶴ヶ峰、二俣川。埼玉県では春日部、西所沢、小手指、秋津、新座でしょうか。団地は住民が減っているので、発見が遅れがちです」
孤独死が起こりやすい地域はどこも家賃と物価がリーズナブル。交通の便は都心から40分程度という共通点がうかがえる。
「あとは箱根や湯河原、真鶴といった関東近郊の古くからあるリゾートも案件が多い。ついのすみかとして移住した高齢者とか、この地域では珍しくないゼロ円物件で暮らす低所得者が孤独死してしまっている印象です。
都心部で言うと、古い住宅地や商店街が残る渋谷で、千駄ヶ谷方面に少し外れると賃料も安くなるからか、意外と孤独死が多いです」
今回、多くの街が挙げられた孤独死だが、近隣での遭遇は願わくば避けたいものだ。
<孤独死が多い街の特徴>
1.国道16号線周辺の郊外型団地
2.関東の古きよきリゾート
3.家賃が安く都心40分圏内
【高江洲 敦】事件現場清掃会社・代表取締役
遺品整理から原状回復工事まで行い、これまで請け負った特殊清掃は延べ1500件以上。主な著書は『事件現場清掃人が行く』など
― もう二度と住みたくない[ヤバい街] ―
孤独死が多い街
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