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「大人の発達障害」に反響。まさか自分も?…悩むグレーゾーンの人たち

 昨年から大きな話題になっている「大人の発達障害」。SPA!で特集を組んだところ「自分もそうかもしれない」「知人が驚くほど当てはまる」と反響があった。

大人の発達障害

発達障害の特徴は千差万別。悩める大人たちは大勢いる


「何度もミスを繰り返してしまう」

「上司からの指示が全然理解できないのに、怒られると思い『わかりました』と返してしまう」

「マルチタスクにまったく対応できない」

 そんな悩みを抱えて働き続ける会社員は山のようにいるはずだ。ただ、これまでならば単なる“仕事ができない人”と片付けられてきた存在のなかに、実は障害のせいでミスを犯している人たちがいることがわかってきた。

 これまで多くの発達障害当事者を取材してきた、フリーライターの姫野桂氏が解説する。

「発達障害には大きく分けて、コミュニケーションが苦手なASD(自閉スペクトラム症)、多動や衝動性、不注意の多いADHD(注意欠陥・多動性障害)、知的に問題はないのに読み書きや計算が困難なLD(学習障害)の3種類があります。それらは大人になってから発症するものではなく、生まれつきその人が持っている脳の“特性”で、それによって遅刻やケアレスミスが多かったり、人間関係がうまくいかず仕事や日常生活に支障をきたしたりしている人が大勢います。その事実が近年、ようやく認知されだしたんです」

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「大人の発達障害」の代表的な症状

<ASD(自閉スペクトラム症)>
・言葉の発達の遅れ
・コミュニケーション障害
・対人関係/社会性の障害
・行動、興味、関心の偏り

<ADHD(注意欠陥・多動性障害)>
・注意が散漫になる
・多動症(じっとしていられない)
・衝動性(突発的な行動)

<LD(学習障害)>
・文字の読み書きが極端に苦手
・数字の計算が極端に苦手
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 幼少期や学生時代には見逃されていた特性が、社会人として厳しいルールに直面したときに明るみに出てきた、というわけだ。

「当事者取材のなかでも、就活時に内定がなかなか出なかったり、普通の人ならすぐに覚えられる電話応対や事務作業がいつまでたってもできなかったり、なかには有名大学卒なのに仕事を覚えられず『キミ、おかしいんじゃないの?』と責められる人までいました。ほかに、ある程度社会人経験を積んだ人でも、管理職になった途端にうまく適応できず“使えない上司”扱いされて苦しむ人もいます」

 現在、ADHDに関しては処方薬があるので、ある程度は症状を抑えることができる。とはいえ、発達障害は病気ではないので“完治”するということは、まずない。

 また、症状も人によって出方や重度・軽度がバラバラ。「こうなったら発達障害」という決まった形もないため、本人や周りの人間も気づかないことが多いという。発達障害カウンセラーの吉濱ツトム氏は、「発達障害の大きな特徴は、できること/できないことの差が激しいところ」と語る。

「例えば普段はすごくコミュニケーション能力に長けた人なのに、いざ仕事を頼んだらミスだらけだったりする。『これはできるけど、これはまったくできない』という凸凹の特徴なのでわかりづらいんです。ASDなど重い発達障害の人であれば、確かに独特の雰囲気を持っているから周囲も気づくんですが、軽度だと医者でもはっきり診断できなかったりします。いわゆる『隠れ発達障害』『グレーゾーン』と呼ばれる層ですね」

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「隠れ発達障害」の人は自分を客観的に見られる

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発達障害グレーゾーン

徹底した当事者取材! 発達障害“ブーム"の裏で生まれる「グレーゾーン」に迫る





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