スポーツ

日本で毎日行われている無観客試合とは? 弥彦神社の敷地内で実際に確認してみた

人のいない競輪場で真夜中に……

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弥彦競輪場(日中撮影)

 そろそろ真面目に話そう。この弥彦神社の敷地内にある建物は、弥彦競輪場である。弥彦競輪は日本で唯一の村営(弥彦村営)の公営競技場なのだ。神社の中で行われている競輪、見方によっては神事と捉えることもできる。しかし、22時を過ぎた深夜にもかかわらず実際にレースが行われているのだ。  早速、試合、もといレースの模様を観戦しよう…としたところ、私の前に1枚の張り紙が立ち塞がった。 「場外からの観戦はご遠慮ください」
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「場外からの観戦はご遠慮ください」の張り紙

 あえなく“観戦”はならず。そのまま宿に戻り、ネット中継で弥彦競輪を観戦することになった。  皆さんは「ミッドナイト競輪」なるものを聞いたことがあるだろうか。競馬、ボートレースなど、一般的な公営競技のナイターレースは21時までに最終レースが終わる。しかしミッドナイト競輪は、その後となる深夜帯=21時から23時すぎまでレースを実施している。  そして、このミッドナイト競輪は基本的に「無観客」で開催される。深夜開催のため、周辺住民への配慮もある。車券はインターネット投票で購入することになり(※一部場外車券場では前売りで発売しているところもあります)、レースはネット配信を中心に観戦することになる。

間違いなくレースは行われていた

 張り紙に話を戻すが、このような注意書きがあるのは考えてみれば当然である。もともと無観客を前提とした競輪開催なのだから、客が観ることは想定されていない。競輪場によっては近くの道路から観戦できる例もあるが……確かに弥彦神社の敷地内でもある場所で23時近くに1人でウロウロしていては不審者であろう。  結局、後ろ髪を引かれる思いでそのまま宿へ戻ることにしたのだが、幸運だったのは、ちょうどそのタイミングでレースが行われていたことだ。残り1周半を告げる鐘の音がかすかに聞こえた。スマホのネット中継も見ていたのだが、鐘の音はその少しあとに流れていた。生中継のタイムラグである。  一方で、鐘以外の音はほとんど聞こえず、一帯は静寂に包まれていた。レースそのものは見ることはできなかったが、間違いなく、リアルタイムでレースは行われていたのだ。
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開始当初はミッドナイト競輪は録画なんじゃ? という噂も
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