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「やりたい放題できるのはヒラ社員のよさ」中卒で正社員になった“名物”駅販売員

 出世競争に巻き込まれるサラリーマン。だが、いつまでたってもヒラ社員というのはどういう気持ちなのだろうか。つらい? 問題ない? むしろ楽?

 そこで、SPA!では全国の「社員数50人以上」の会社で働いている40~54歳のサラリーマンの中から、役職についていない500人を抽出して調査した。40OVERでヒラという立場を「こんなはずじゃなかった」と嘆く人は少数で、「むしろよかった」という人が21%と多かった。そこで今回は肩書ナシでも生き生きと働く人々に直撃。その“強さ”はヒラ社員の希望となるか。

[中年ヒラ社員]も悪くない!

ネームプレートや販売で使う人形、売店中の自身のグッズにも「平社員」の文字。名物のレーズンは一日1000kg以上を売る日も

ヒラの立場もネタに。爆笑口上で人気の“名物”社員


 ホテル、ゴルフ場や黒部ダムの観光事業を展開する関電アメニックス。同社が運営するトロリーバスが昨年11月30日惜しまれつつ引退、今年4月から電気バスが導入される扇沢駅の売店に有名なヒラ社員がいる。

「いくら売れても私の給料は一切上がりません」「このレーズン、地元に何の関係もないチリ産です」などの売り口上で爆笑を巻き起こす販売員・中里之宏さん(46歳)だ。さらに「『駅長さん?』と聞かれますがヒラ社員です」と、立場もネタにする。

「最初は駅のレストランの配属でしたが、売店を手伝ったら『中里が店に立つと商品が売れる』と言われ、未経験の販売に異動になりました」

 元来の話し好きも手伝い、販売の仕事もすぐ楽しくなったそう。新たな販売のアイデアも自ら提案した。

「バスの発車前、お客さんが列に並び始めると駅の売店はヒマになる。並んでるお客さんも退屈なんです。なのでレストランのボロボロのワゴンを借りて移動販売を始めました」

 売店の店員なのに駅員の服で販売を行っているのも自身のアイデアだ。

「『一歩前にお願いします』と駅員風に案内しつつ、『お弁当いかがですか?』と話しかけるとみなさん笑うんです。それで上司に『お客さんの退屈しのぎにもなるから』と駅員の服装での販売を提案しました。最初は帽子しか貸りられず、服は似たものを自分で揃えて着ていました」

 そうした努力で中里さんの販売は駅の名物になり、自身も契約社員から正社員に昇格「中卒の学歴で正社員になるのは異例」とのことだ。

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自身のキャラクターグッズも作られるが…

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