東京で発見されたバンクシー作品は大阪にもあった
1月16日に東京都の日の出駅周辺で「保護」され、大騒動になっているバンクシーのステンシル(型紙にスプレーをした絵)。
どうも、2003年頃にバンクシーが来日し、さまざまなところで「作品」を残していったようだが、詳しい人たちからすれば周知の事実で、「今さら騒ぐことでもないでしょ」という反応らしい。
ということで、今も残るバンクシー作品の情報を得て、大阪にある現場に行った。正確な場所はあえて伏せることにする。
これが、今回、著名グラフィティ・ライターのVERYONE氏に協力いただき、記者が撮影した「バンクシーの作品ではないか」と思われるグラフィティだ。もちろん、真贋は専門家の判断を待たねばならないが、別の場所には今回、東京で発見されたものと同じネズミをモチーフにしたステンシルもあったという情報も、大阪のグラフィティ事情に詳しい人物に教えてもらっている。だが、現在は消されてしまったようだ。その事情に詳しい人物は語る。
「僕も8~9年ぐらい前かなぁ。某所でバンクシーらしきステンシルを見かけましたよ。まぁ、グラフィティやる人たちが、1か所や2か所だけ書いて終わり、なんてことはないんで、バンクシーもあちこちでやったでしょう。僕がなんでバンクシーの作品だろうな、と気がついたかというと、当時はステンシルなんて珍しかったからですね。女性の絵でした。ただ、今はあるかどうか」
事情通氏によれば「バンクシーと一緒に作品を書いた」という人たちもいるらしい。だが、彼らはもちろん、基本的には表には出てこない。
バンクシーがグラフィティの代表のように思われることに対して、現場のグラフィティ・ライターの一部は批判的であり、私がこのように大阪まで取材行くような今回の騒動をバカバカしいと思っていることだけはお伝えして、この短い記事を終えたいと思う。
大阪のグラフィティ事情や当時のバンクシーの作品がどうなったかについては、さらなる取材をして、続報していく予定だ。 <取材・文・撮影/織田曜一郎(週刊SPA!)> ハッシュタグ