「世界最悪の眺め」のホテルに行ってみた。覆面アーティスト、バンクシーがオープン
5月14日、在イスラエル米国大使館のエルサレム移転が強行され、パレスチナ側は猛反発。イスラエル軍はパレスチナ自治区ガザで行われたデモに向けて発砲し、パレスチナ側には多数の死傷者が出た。パレスチナ情勢は、2014年のイスラエル軍によるガザ侵攻以来の大混乱に陥っている。
そんなパレスチナ自治区の、ヨルダン川西岸の都市ベツレヘムには「世界最悪の眺め」を売りにしたホテルがある。正体不明のカリスマ的な社会派アーティスト・バンクシーが昨年3月にオープンした「ウォールド・オフ・ホテル」だ。
同ホテルはイスラエルが建設する分離壁のすぐ前という立地。分離壁とは、パレスチナ自治区との停戦ラインを超えて建設されているコンクリート壁やフェンスで、計画では総延長710km。昨年までに450kmがすでに建設済みだ。この分離壁は「テロ防止」が名目だが、パレスチナ人にとっては土地や水源を奪い、村や町を文字通り分断する壁。イスラエルによるパレスチナ占領の象徴とも言える。
この分離壁のすぐ横に建つのがウォールド・オフ・ホテル。同ホテルを訪ねていくと、分厚いコンクリート製の分離壁がホテルの3階まで高くそびえ立つ。確かに圧迫感がすごい。しかもこの壁はパレスチナ占領の象徴。まさに「世界最悪の眺め」だ。
筆者もこのホテルに泊まってみようとしたが「恐縮ですが満室です」(支配人)とのこと。世界各国から、このホテルに泊まるためだけにベツレヘムに来る人が絶えないのだそうだ。がっかりしていると、ホテルのスタッフが「まあ、中を観てみてください」と声をかけてくれた。
ホテルの中には、あちこちにバンクシーの作品が飾られている。ロビーにある胸像は、催涙ガスを模した綿にまかれており、マスクで顔を覆っている。これは、パレスチナの人々が占領に反対するデモなどを行った際にイスラエル軍が強力な催涙ガスを多用することを連想させる。
パレスチナ人の村や町を分断する「壁」の前にオープン
世界中から、このホテルに泊まるためだけに来る人が絶えない
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