更新日:2019年05月09日 11:28
スポーツ

逆襲の広島カープ、不振を越え5月攻勢。今後へのカギは?

鯉の季節で一気に巻き返すか

 今年はチームの中心でもあった丸のFA離脱に加え、菊池涼介も今シーズンオフでのメジャー挑戦を表明していることも、チーム全体の士気に今後、どう響いてくるかが気がかりではある。  但し、カープの「宿命」とも言える主力の移籍は、決してマイナス要素になり得ないことが証明されてきた。2016年までにエースとして投手陣を引っ張った前田健太と黒田博樹が、翌年オフには新井貴浩、そして昨年の丸と、『顔』である選手が様々な形でチームから去る中でも、まさに反比例するかのようにリーグ3連覇という偉業を成し遂げた。1993年から開始されたFA制度により、チーム間の主力選手の移籍が活発化され、現在のプロ野球界においてチーム強化を図るに当たり、FAでの有力なプレーヤーの獲得は必須である。そんな中、痛快なまでに「カープ育ち」の選手を軸としてペナントを守り続けている。  それ故、不振を払拭する8連勝は土台がそう簡単に崩れることのないチームのポテンシャルを感じさせる戦いぶり。その後、エラーが直接失点に繋がった5月1日の阪神戦などを含む4連敗ともう一つ波に乗り切れない中でも「(選手は)集中してやってくれているし、ミスは出ることもある」と緒方監督はコメント。選手への信頼は揺らぐことは無い。  チーム状態を立て直していく中で今後、重要になってくるのが様々な因縁が絡む巨人戦だ。5月3日からの3連戦は2勝1分け。二戦目には判定を不服とした緒方監督の退場後、延長までもつれ込んでの劇的なサヨナラ勝ちもあり、開幕カードで喫したおよそ2年振りの本拠地での負け越しの鬱憤は晴らした。  だが昨年までの2年間、巨人からは二桁の貯金を稼いできたものの、今季ここまでの対戦成績は4勝3敗1分けと、内容も含め五分に近い結果。移籍の丸にも打ち込まれるなど、昨年までの「お得意様」ではなくなったことは明らか。GWを終え、勝率5割に復帰し巻き返しを狙う広島カープ、今季も巨人との試合がシーズンの流れの大きなカギを握っている気がしてならない。<文/佐藤文孝>
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