逆襲の広島カープ、不振を越え5月攻勢。今後へのカギは?
開幕から5カードにわたり負け越し、5連敗を含めて4月16日の巨人戦までに連敗が早くも4度を数えていた、昨季セリーグ覇者の広島カープ。その負け方も深刻であり、4月10日のヤクルト戦では延長10回の表に12点を奪われての惨敗、また、前々日からの3試合で計34失点と、連日、悪夢のような展開が繰り広げられた序盤の戦いぶり。
昨年オフから重要視されていたのが丸佳浩の移籍によるチームへの影響だ。主軸として、さらにセンターの守備でも長年にわたりカープを支えていたことは言うまでもなく、如何にその穴を最小限に留められるかが今年のカープの命運を左右すると思われており、開幕からのチームの不調はまさに攻守の大黒柱を失った影響がモロに表れていたようにも感じられた。
だが、4月17日の巨人戦、9回にジャイアンツ守護神クックを攻略して逆転勝利を収めると、マツダスタジアム6連戦では、DeNAと中日をそれぞれ3タテ、さらに27日の神宮でのヤクルト戦にも先発床田から最後は中崎翔太で締める完封リレーで勝利し8連勝、この勝利で一気に借金も返済し勝率を5割まで盛り返す。
主軸の鈴木誠也や松山竜平の負傷離脱、また連敗時も先発の一角であるジョンソンが勝てず、中崎のリリーフに失敗もみられ、さらに守備陣の乱れなど不安要素が相次いだ。それでも勝ち星を積み上げる中で確実に広島らしさを取り戻していく。
打撃陣では期待の大きい野間峻祥や、巨人から移籍のベテラン長野久義が起爆剤となる活躍をみせ、投手陣も4月までで4勝を挙げた床田寛樹の活躍やリリーフ陣の復調もあり、投打の噛み合いが見え始めたのもこの頃だ。
さらにローテーションの谷間で先発起用されたアドゥワ誠が、4月23日の中日戦で7回を2失点で抑える内容で連勝に貢献している。昨季リリーフで活躍した21歳を大抜擢し、今後先発へ目途も立った。まさにカープの伝統でもある若手の育成も並行して行われているのは見事としか言いようがない。
4連覇へ向け険しいスタートとなるも、5月に入りようやく昨年までの姿を取り戻してきている。
苦しみの中、取り戻しつつある王者らしさ
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