スポーツ

丸佳浩ほかスター選手を集める巨人。「金満」批判にファンの本音は?

 3月29日、平成最後の開幕を迎えるプロ野球。今年は古巣に舞い戻った新監督から、昨夏甲子園を沸かせたルーキー、復活を誓うベテランや大改装を施した球場まで、話題は満載だ。秋に新元号で初の美酒を味わうのはどの球団か?
丸佳浩

広島からFAで加入した丸佳浩。2年前にFAで加入した同ポジションの陽岱鋼の心中は 写真/時事通信社

大物選手を次々補強! 巨人ファンの本音とは?

 広島で2年連続MVPに輝いた丸佳浩外野手が、昨年末、FAで巨人に移籍した。5年契約で、年俸総額25億5000万円と報じられている。3月24日の対ロッテ戦で、丸選手はオープン戦1号ホームランを放った。 「丸佳浩選手が来てくれてうれしいです」――。そう無邪気に笑ったのは、中学生男子の巨人ファンである。  だが、「なんでもかんでも獲ってズルいって批判もあるよね?」と話を向けると、顔を曇らせる。「単純に戦力が厚くなって嬉しいとしか考えていませんでした……」。  チームが選手を補強するのは当然である。だが、日本人特有の気質なのか、カネに飽かした補強は批判の対象になる。巨人という球団は常にそんな批判にさらされてきた。それはファンもまた同じである。話を聞いた中学生巨人ファン3人はいずれも罪悪感を滲ませるような反応だった。恐らく巨人ファンとしての「耐性」がまだでき上がっていないのだろう。  これが30代になってくると変わってくる。「後ろめたさはあるけど心の中でガッツポーズをした」(30代男性)、「むしろ巨人らしいのでは?」(40代男性)と批判されることを承知の上で喜んでいる。なかには「他球団に獲られるくらいなら、飼い殺しにしたほうがマシ」(30代男性)という過激な意見もあった。

批判上等。巨人ファンは「スルースキル」に長けてゆく

 50代男性は「今さら巨人以外を応援する気もないしね」と開き直った上で、こう続けた。「むしろ働いてくれるかが心配ですよ。中島宏之、岩隈久志、炭谷銀仁朗あたりはとくにね……」。  巨人という球団のファンで居続けるということは、何枚もの「踏み絵」を迫られることを意味する。裏金問題、野球賭博問題、監督恐喝事件……。ファンとしての忠誠心が問われる数々の試練を乗り越えなければならないのだ。  地上波でのゴールデンタイムの生中継がほとんどなくなり、今や「巨人戦」は国民的な娯楽ではなくなった。翌日の学校や職場の話題についていくため、教養感覚で巨人ファンになっていたライト層は絶滅状態にある。その結果、巨人にまつわるどんなネガティブなニュースを耳にしても、スルーできるファンだけが残った。巨人ファンであり続けるためには「スルースキル」は必須能力だろう。  数々の踏み絵をくぐり抜けてきた彼らにとって、今さら金満補強への批判など、泣き叫ぶ赤子を子だくさんの母親があやすようなもの。動じることなく、赤子が泣きやむまでスルーしてしまえばいい。現役の巨人ファンにはそんな涙なくして語れない歴史と、四面楚歌の世界を生き抜くだけのたくましさがあるのだ。 <取材・文/菊地高弘> ※週刊SPA!3月26日発売号「プロ野球開幕スペシャル」特集より
週刊SPA!4/2号(3/26発売)

表紙の人/ 日向坂46

電子雑誌版も発売中!
詳細・購入はこちらから
※バックナンバーもいつでも買って、すぐ読める!
Cxenseレコメンドウィジェット
おすすめ記事