32年前の日本一投手・北別府学が明かす「今年の広島カープを強くしたもの」とは?
32年ぶり4回目の日本一を目指して、目下、北海道日本ハムファイターズと激闘中の広島東洋カープ。前回1984年に日本シリーズを制覇したときは、名将、古葉竹識監督に率いられ、阪急ブレーブスを相手に最終戦までもつれたものの、辛くも4勝3敗で日本一を勝ち獲っている。
1980年代から1990年代にかけ、大野豊、川口和久、長冨浩志、津田恒実……数多くの剛腕を擁していたことから、長らく「投手王国」と言われていた広島カープのなかでも、卓越した制球力で「エース」として赤ヘル黄金期を支えたのが北別府学氏だ。1984年のシリーズでは、第2戦、第5戦、そして第6戦と、3度もマウンドに上がっているが、日本シリーズという「短期決戦」ならではの戦術があると北別府氏は話す。
「先に4つ獲れば勝ちという日本シリーズでは、シーズン中とはまったく違う戦い方をします。僕が現役のときも、相手打者の弱点を徹底的に攻めたものです。1984年のシリーズでは、阪急の主砲だったブーマーを攻略することがいちばんのカギで、彼はリーチが長かったので体に近いインコースの球は腕が邪魔になる。そこで、徹底して内角シュートで攻めましたね。シーズンと違って1打席の重みが増すシリーズでは、相手打線の主軸を止めることが大事になってきますし、1度の凡退で打者はより打ちたいと焦りやすいので、そういう状態に追い込めば勝利に近づくわけです」
4戦を終えて、2勝2敗の五分。10月27日の札幌ドームでおこなわれる第5戦で勝っても負けても、激戦の場は、再びマツダスタジアムに戻ることになる。これまでの戦いぶりを見てもわかるように、本拠地での声援はグラウンドの選手にダイレクトに伝わるため大きな力となるのは間違いない。
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