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日本一距離の長い路線バスに乗ってみた。5時間乗って驚きの運賃は?

224.1㎞を5時間で走破

 もともと幌延からバスの経由地である留萌までは、「羽幌線」という鉄道が走っていたが1987年3月、国鉄がJRに民営化される直前に廃線。以降、バスがその代替交通手段となっており、現在は運行されるバスの一部が旭川まで乗り入れているというわけだ。
収穫期を迎えた穀倉地帯

収穫期を迎えた穀倉地帯

 バスは途中、数十基の巨大風力発電機が並ぶ苫前、かつてニシン漁で栄えた時代の名残を今に残す鰊番屋のある小平などを通って留萌に到着。ここから今度は内陸部へと針路を取り、ちょうど収穫期を迎えていた穀倉地帯抜けて旭川へと向かう。
いよいよ旭川市内に突入!

いよいよ旭川市内に突入!

 このころになるとバスの乗客もかなり増えてきたが、それでも半分も埋まっていない。バスはアイヌの言葉で「神が棲む場所」を意味する石狩川流域の景勝地、神居古潭(かむいこたん)の通り過ぎると、いよいよ旭川盆地。市街地に入ってから15分ほどで終点、旭川駅に着いた。
旭川駅到着! 路線バスの運賃には思えない!

旭川駅到着! 路線バスの運賃には思えない!

 到着したのは11時20分過ぎで、始発からちょうど5時間で到着。始発からの運賃は4380円だった。

バス会社は“日本一”でアピールせず

 もはや路線バスの料金ではないが快速だったこともあり、走行距離の割に途中の停留所の数はわずか43か所(※始発地、終着地を除く)と少なかった。トイレ完備の車両のため、トイレ休憩などで長く停車することは一度もなく、体感的には思っていた以上に早く着いた気がする。  これに対して八木新宮線は停留所が169か所あり、距離が短い割に移動時間は約6時間半とこちらのほうが長い。そのため、乗車時間でいえば同路線が今も日本最長路線であることには変わりない。  ただし、同じ最長路線バスでも留萌~旭川は、バス会社が特にそれをアピールしているわけでもないため、全国的な知名度も低い。それでもバラエティに富んだ景色は見応え十分だし、自分で運転していないので風景を存分に眺めることができる。  たまにはこんな変わった路線バスの旅をするのも悪くないと思う。<取材・文・撮影/高島昌俊>
フリーライター。鉄道や飛行機をはじめ、旅モノ全般に広く精通。3度の世界一周経験を持ち、これまで訪問した国は50か国以上。現在は東京と北海道で二拠点生活を送る。
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