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新・国宝になった日本最古の小学校、行ってみたら“違和感だらけ”だった

 長野県松本市の顔として、威風堂々とそびえる国宝・松本城。そのすぐそばに2019年9月30日、「もうひとつの国宝」が誕生した。  日本最古の小学校「旧開智学校」だ。

違和感だらけの建築が見どころ?

 現在の小学校という制度ができたのは明治5年(1872年)に発布された「学制」からで、開智学校はこの時に開校したいくつかの小学校のひとつなので、最古の小学校ということになる。  しかしそれは単純に「歴史深い」や「ありがたい」というだけでなく「違和感だらけ」の建築であるところが面白い。
旧開智学校

左右の長さがアシンメトリーになっている

 二階建てで両翼の長い造り、白と青が松本の空にもよく映えている。直感的にも美しい建物であることはわかるが、じっと見ていると気がつくことがある。窓の数を数えると、左右の長さがアシンメトリーになっているのだ。  中央の入り口に配されたモニュメントもまた、違和感が多い。はじめの印象は明治や大正らしい「モダン」な雰囲気だが、よく見るとおかしさが見えてくる。
旧開智学校

擬洋風建築

 立体的に掘られた龍の彫刻は中国を思わせるが、象徴的な天使のモチーフは明らかに西洋の文化が感じられる。それをまとめているのが中央部分が丸く膨らんだ唐破風の屋根で、これは日本の城郭建築に用いられるものだ。洋風とも和風とも中華風ともいえないこの建築は、地元の大工の棟梁であった立石清重による設計で「擬洋風建築」と言われている。

日本文化と外国文化が同時に存在するワケ

 これは明治時代のモダンとは一体どんなものなのかを探れば合点がいく。250年以上にわたる江戸幕府の治世が終わり、文明開化の名の下に海外から様々な文化が流入して来た。鎖国の中で発酵するように蓄えられた日本文化と、新しく入って来た外国の文化が、混ざるとも混ざらないともいえない形で同時に存在しているという、この時代のこの場所でしか生まれ得なかったものだ。  そうしたことから、国宝指定の理由として「重要文化財のうちで極めて優秀で、かつ文化的意義の特に深いもの」とされているのだ。
旧開智学校

扉に施された彫刻

旧開智学校

ステンドグラスからは西洋の風を感じる

 校舎内に入ると、ここでも日本の伝統的な建築法で作られていながら、扉に施された彫刻が龍をモチーフにしていたり中国を思わせる文様が描かれていたりする。さらには、窓にはめられたステンドグラスが西洋の風を感じさせる。 旧開智学校 旧開智学校 どれもインスタントなものではなく、ステンドグラス用のガラスもヨーロッパから輸入して作られたものなのだ。日本らしさと中国らしさと西洋らしさ。誰が居てもアウェーであるということは、誰がいてもホームであることと同じ。奇妙な空間は不思議と落ち着くバランスが保たれている。
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戦時中の子供たちの作文や絵画も展示
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■旧開智学校
住所 長野県松本市開智2丁目4番12号
電話番号 0263-32-5725
営業時間 9:00~17:00(最終入館16:30)
定休日 3月から11月までの第3月曜日(休日の場合は翌日)
12月から2月までの月曜日(休日の場合は翌日)
12月29日から1月3日まで
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