明日は天皇即位祝賀パレード。見どころとともに「天皇に親しみを感じる人が増えた理由」を小林よしのり氏が解説!
さて、この令和になってからの祝賀ムードを見ると、はるか昔のことに思えてしまうが、譲位前には「今の天皇(上皇陛下)は立派すぎた」「皇太子殿下(当時)が新しい天皇になったら今までのように天皇制が支持されるかどうかわからない」という人々がいた。だが、小林氏はこれを「歴史を知らぬ者の言」と喝破する。
「上皇陛下も皇太子時代には昭和天皇と比較されて『戦後民主主義育ちで頼りない』『公よりも家庭を大事にする“マイホーム皇太子”だ』などと散々言われてきました。さらには、昭和天皇も皇太子時代には『大帝』『聖帝』と称された明治天皇との比較で批判され、『眼鏡をかけた姿がひ弱に見える』などと言われてきたんです」
なるほど、口さがないことを言う人々はいつの時代にもいるということか。
「そして、今上陛下は皇后陛下にプロポーズしたときに『雅子さんのことは僕が一生、全力でお守りしますから』と誓ったことに対し、自称保守派は『公の存在である皇太子がプライベートなことに“全力”とは何事か!』と非難しました。でも、この非難が完全に間違いだったことはもう明らかですよね? 公のことを言うのであれば、皇太子に自分の妃を守る覚悟がなければ皇統は続かないし、繰り返しますが、新たな時代に合ったご自分のやり方で新たな天皇のあり方を作られていかれるでしょう。伝統というのは因習ではありません。大事なのは形式ではなく、伝統のエートス(魂)です」
明日のパレードもまた、新たな時代の到来を実感する機会になることは間違いない。
取材・文/『週刊SPA!』編集部1
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