“本物のSP”に、シークレット・サービスモノのアクション映画を見てもらったら…
アメリカ大統領を警護する合衆国シークレット・サービスの葛藤と死闘を描く映画『エンド・オブ・ステイツ』が公開された。その待望の本作を、多くのハリウッドスターの警護を担当している“日本のトップ・オブ・SP”として有名な牧村博一氏が緊急鑑賞!
かつて自身も警護したことがある主演のジェラルド・バトラーへ抱いた他人事ではない切実な想いをはじめ、自身にとって最大の脅威はお正月? などなど、ネットニュースの媒体では初めてとなる牧村博一さんのホンネをお届けします!
――数々の来日スターの警護でおなじみですが、今の仕事は子どもの頃からの夢だったのでしょうか?
牧村博一氏(以下、牧村):いえ違います。子どもの頃は、ちょっとだけ飛行機のパイロットになりたいと思ったことはありますが、でもそれは一瞬で、すぐに警察官になりたいと思いました。父親に連れられて拾った小銭を交番に届けに行ったことが目指すきっかけとなりましたが、それが幼稚園の年長か小学校1年生くらいの出来事。そこからブレずに想いを抱いて警察官になりました。
――最初は警察だったのですね。
牧村:高校卒業してすぐにお巡りさんになったのですが、警察学校を卒業して配属されたところが、いわゆる特殊部隊でした。その後家庭の事情や仕事のキツさなどで挫折感を味わい、退職して民間の警備会社に勤めたんです。そして研修を一週間やって二日目の夜に、前科三犯の泥棒を捕まえたんですね。民間の警備会社でもこういうことができるんだって思い、そこから大手の警備会社で7年勤めました。その後一度探偵になりましたが、やはり人を護る仕事がしたくて、また警備の世界に戻り、現在に至ります。
――命の危険もあるかと思いますが、警備の仕事のどういうところに惹かれるのですか?
牧村:警備に従事していると、五感が研ぎ澄まされたような感覚になり、生きている実感が湧いてくるんです。緊張感に身を置いていないと駄目なタイプのようなんです。当時たまたま身辺警護を募集していたので、その会社に入って身辺警護をやるようになったことがきっかけで、それからかれこれ20年経ちます。
――職務では、何が一番キツいですか?
牧村:長丁場の仕事ですね。滞在時間が長い時も大変です。4日間か10日間か滞在期間の違いによって、負担も変わってくる。 以前は全然平気でしたが、最近は後半がしんどいんです(笑)。終わった直後に体調を崩すとか発熱をするとか、ほんと参りますよ(笑)。
現場の最中ではなくて終わってからなのでご迷惑かけることはないのですが、後はここ数年、お正月がキツいですね。お正月という空気感で気が緩んじゃうのか、ここ数年は寝正月なんです。現場がないと体調悪くなる。 ここ3年くらい必ずお正月に熱を出すので、今から年末が怖いです(笑)。
――SPになって得したことはなんですか?
牧村:身なりをちゃんと気をつけられるようになったことですね。やっぱり身だしなみに気をつけられるし、いろいろな場所に行って、いろいろなことを見聞きできる。いろんな人と会うことができる。それはすごく良かったなと思います。
反対に仕事の内容が刺激的すぎて、たぶんもうほかの仕事には就けないんじゃないかなっていう感じはしています(笑)。一度この仕事から抜けなくてはと思った時期はありましたが、いろいろ考えたのですが、とにかくないんですよね。とにかくやってみようという仕事が全然見つからなくて、どうしようと思ったこともあります。
牧村氏が、民間SPになったきっかけとは?
民間SPで得したことは?
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