海外旅行で行きたいヨーロッパの街BEST3/旅行作家・嵐よういち
年末年始に海外旅行に行こうと計画中の人は、日本から近くて温暖なアジア諸国やハワイ、グアムなどのリゾート地に集中するはずだ。ヨーロッパだと遠くて航空券が高く、寒いイメージがあるかもしれない。だが、冬のヨーロッパは魅力で溢れており、ぜひ堪能して欲しいと思う。
治安★★★★☆ 昼間に観光をしたり裏道を歩いたりしても問題ないレベル
物価★★★☆☆ ユーロ圏の中では安め
言葉(英語は通じるか)の問題 ★★★★☆
ポルトガル第二の都市「ポルト」の中心街は、石畳が敷かれた美しい街で、観光客もそれほど多くはない。東京からの行き方は、トルコ航空を使いイスタンブール経由で行ける。
ポルトは坂道ばかりだが、街歩きが楽しい。ドウロ川沿いの地区「カイス・ダ・リベイラ」がポルト観光のメインで、川沿いには多くのレストラン、土産物屋が並んでいる。各社の船の呼び込みも盛んで、1時間程度のクルーズで料金は25ユーロ(約3000円)。
この一帯は美しくノンビリ出来るし、橋の対岸の街「ヴィラ・ノヴァ・デ・ガイア」に渡れば名産のポルドー・ワインのワイナリーがたくさんある。
ロープウェイもあり、そこからは「ドン・ルイス1世橋」の上層まで行くことができる。1886年に設計されたポルトのシンボルでもあるドン・ルイス1世橋。
面白いことに橋は二重構造になっており、上層は路面電車と歩行者用で、下層は車道と歩行者専用だ。行きに下を歩き、帰りは上を通ると、見える景色が違うのでオススメ。橋から高台にあるセーラ・ド・ピラール修道院には歩いて行くがことでき、そこの前にある広場では結婚式を挙げたばかりのカップルや親族を目にした。ここから橋も入るアングルが絶景で、街を一望できる。
治安★★★★☆ 用事があって警察署にも行ったが警官もノンビリしていた
物価★★★☆☆ 観光客は多いが、高すぎるわけではない
言葉(英語は通じるか)の問題 ★★★★★
マルタ共和国は日本人には「マルタ騎士団」くらいしかピンとこないかもしれないが、かつてイギリスが統治していた関係で、英語がマルタ語と共に公用語。語学学校も盛んで、留学している日本人も多い。東京23区の半分程の大きさだが、約46万人が住んでいる。日本からの行き方は前述したトルコ航空か、ローマ経由でアリタリア航空、ドバイ経由でエミレーツ航空が便利だ。
まずは宿泊場所に関して、マルタでは自分の目的に合わせて事前に泊まる場所を調べておきたい。大きく分けて、以下の3か所にある。
1.スリーマ…筆者が宿泊した場所で、街の中では歴史が浅い地区。海沿いに美しい遊歩道が続いておりノンビリできる。観光客が集まっているのでレストラン、カフェなどがたくさんある。
2.セント・ジュリアン…スリーマから遊歩道に沿って歩いていける。スピラーノ湾の港には小船や金持ちの所有物らしき豪華な船が休んでいる。この一帯は小さいながらビーチもあり、カジノ、ディスコ、レストランと何でも揃っている。夜遊びを充実させたいならここに宿をとるのがいいかもしれない。
3.ヴァレッタ…マルタ共和国の首都。街自体が世界遺産なので最大の観光名所と言ってもいい。マルタストーンとも呼ばれる石灰岩でつくられた建造物が建ち並び、由緒あるカフェやレストランもある。そんな街並みの雰囲気を味わいたい人はここがベスト。
マルタはゴゾ島などの島めぐりやクルーズなどもあるが、前述した3つの街を歩くだけでも楽しい。その中でもヴァレッタだ。筆者の泊まっていたスリーマからバスとフェリーで行くことができる。フェリーで海面から街を眺めると、美しさを備えつつも、堅固な要塞都市だとわかる。
ここは、そもそも16世紀にイスラムからの攻撃を守る欧州のキリスト教の砦だった。1565年にオスマン帝国が5万の大軍で押し寄せてきた。9000人の聖ヨハネ騎士団は島を守り、その結果、莫大な寄付が集まった。その資金でそれまでよりも堅固な都市を形成していったそうだ。ヴァレッタの地名は騎士団長の名前にちなんで命名されている。街のメインストリートはリパブリック通りで、全体的に碁盤の目状につくられている。これは非常事態が起きた場合、騎士たちがすぐに沿岸に移動できるように整備されたからだ。
筆者のオススメは「国立戦争博物館」。入場料は15ユーロで、マルタの歴史を深く学べる。イギリス統治時代の出来事や、第二次世界大戦でイタリア軍に空爆されたフィルムはなかなか衝撃的で見る価値がある。要塞の一部も見られ、そこから海を眺めると豪華客船が優雅に泳いでいた。
マルタの名物料理と言えばウサギだ。レストランでトマト煮を出されたのだが柔らかくて美味しい。チキンのようだが骨が多く、意外と食べる箇所は少ないように感じた。そのほか、スープや前菜盛り合わせ、パン、ビールなどを頼み、二人で50ユーロ程度(約6000円)だったのでコスパ的にも最高。
そこで、旅行作家である筆者(嵐よういち)が、2か月前の世界一周旅行中に訪れたヨーロッパの街からオススメを紹介したい。
ポルト(ポルトガル)
マルタ共和国
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旅行作家、旅行ジャーナリスト。著書の『ブラックロード』シリーズは10冊を数える。近著に『ウクライナに行ってきました ロシア周辺国をめぐる旅』(彩図社)がある。人生哲学「楽しくなければ人生じゃない」
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