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海外旅行で行きたいヨーロッパの街BEST3/旅行作家・嵐よういち

パレルモ(イタリア)

パレルモ

パレルモは美しい街だ

治安★★★★☆ 地元の人はだれもが「はっきり言って良い。すごく安全」と言っていた。確かに駅周辺を除いて平和だった。 物価 ★★★☆☆ 言葉(英語は通じるか)の問題 ★★★☆☆  イタリアの地形はブーツで石を蹴っているようだが、その「石」の部分がシチリア島。かつてマフィアが支配し、皆さんは治安が悪いと思われているかもしれないが、現在はかなり良い。  行き方は東京からローマやミラノを経由でアリタリア航空が便利だろう。シチリアはイタリアの中でも独特の文化がある。中世には東ローマ帝国領だったが9世紀にはイスラム王朝の首都も置かれた。よって、イスラム教とキリスト教は融合した建物や文化が形成されている。1861年にはイタリア王国の一部になって経済発展をし、パレルモはシチリアで一番大きな街になった。  筆者が今回訪れて思ったことは、日本人の個人旅行者の多さであった。夫婦やカップル、男性の一人旅で平均年齢は少し高め。空港から市内に行くバスには何人も乗っていた。  そしてパレルモの感想は優しい人ばかりだったことだ。筆者は世界中に行ったが、こんなに親切にしてくれる人ばかりだと思わなかったし、それはトップクラスに入ると思う。
イワシのパスタ

イワシのパスタが絶品。また食べたい

 食べ物も美味しく名物のイワシのパスタは絶品だった。ブカティーニという太目で中が空洞になっているパスタを使用している。松の実、アンチョビ、黒コショウ、サフランなどで味付けしたイワシのソースをパスタと合わせ、最後にトーストしたパン粉がまぶされている。味わったことのないザラザラとした食感、それに魚の旨味がミックスされて、一番の思い出になった。シチリアに行ったらぜひとも食して欲しい。
スーパーマーケット

スーパーマーケットには生ハムやチーズがたくさん売られている。ワイン好きにはたまらない

 また、スーパーマーケットは見ているだけでも楽しく、チーズの種類の多さに驚く。生ハム、オリーブ、そしてワインが充実しており、シチリアワインは6ユーロ(約700円)も払えば満足なテイストの逸品に出会える。
コルレオーネ村

コルレオーネ村は中世の雰囲気

 イタリアでは、映画『ゴッドファーザー』で有名になった「コルレオーネ村」が有名。筆者はこの映画が大好きで何回も観ている。この村は主人公のボスであるヴィト・コルレオーネの出身地とされ、実在のマフィアのボスたちやアルパチーノの祖母方もココの出身らしい。筆者は急遽、行くことを決めたのだが、交通の便は悪く、高いツアーに参加するしかないなと思っていたら、宿泊している宿の主人に紹介された人に、往復120ユーロ(約1万4600円)で行ってもらえることになった。  シチリアの田舎道を進むと、コルレオーネ村に到着する。片道1時間15分程度かかった。ここにはマフィア博物館があり、そのほかは街を散歩するのがオススメ。村と言いつつも、意外と広いので、降ろしてもらう場所をしっかり伝えた方がいいだろう。
老人

老人に話しかけられたが、訛りがキツくて理解不能だった

 のどかな街からアメリカに渡り、有名になったマフィアが何人も誕生したのだから面白いものだ。石畳の階段があり、大昔から時間が止まっているみたいだった。村人は筆者を見ると笑顔で挨拶してくるし、すごく気に入った。中心の広場に面したところには土産物屋があったのでコルレオーネのTシャツを15ユーロで購入した。
ゴッドファーザー

お土産に15ユーロでTシャツを購入。『ゴッドファーザー』ファンなら垂涎!

 そのほかにもパレルモ近郊に映画『シネマ・パラダイス』のロケ地などがあるので、現地ツアーに申し込んでコルレオーネ村とまとめて観光するのがいいかもしれない。<取材・文・撮影/嵐よういち>
旅行作家、旅行ジャーナリスト。著書の『ブラックロード』シリーズは10冊を数える。近著に『ウクライナに行ってきました ロシア周辺国をめぐる旅』(彩図社)がある。人生哲学「楽しくなければ人生じゃない」
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