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マクドナルド難民の年末年始。口座残高は1500円…どう過ごすのか?

「マクドナルド難民になった40代、年収は頑張って110万円。求人はブラック企業ばかり…」で取材した平田正治さん(仮名・43歳)。契約社員として複数のブラック企業を渡り歩いたのち、38歳でパワハラによるうつ病を発症。昼は派遣バイトで働き、夜はマクドナルドで寝泊まりしている。前回の取材から2か月足らずと、それほど経っていないこともあり、状況は特に変わりなく、口座残高は1500円と崖っぷちの状況が続いている。そんな彼は、年末年始をどう過ごすのか。

平田さん。変わらず都内のマックを“定宿”にしていた

平田正治さん(仮名・43歳)日雇いバイト、年収約110万円

「クリスマス前はケーキ販売、年末年始は警備。この時期は日雇いバイトをみっちり入れたので、良い年を迎えられそうです。定宿のマックもたまに泊まる漫画喫茶も、大晦日含め年末年始は混雑するらしいので、都心を離れ埼玉方面へ避難するつもりです」  平田さんのように店内で寝泊まりするマック難民の増加もあってか、都心のマクドナルドは24時間営業を中止するお店が続出。住みかを失いかけたことで、マックから漫画喫茶へのランクアップを図り、例年以上に仕事を増やすモチベーションに繋がったのはケガの功名といえるのかもしれない。 「デートもデフレが進んでいるのかわかりませんが、最近、深夜のマックにカップルが増えてきて…。嘔吐する酔客もいたりして、以前にも増して眠れないのが悩みでした。2019年は住み慣れない東京へ来て、刺激が多く疲れの溜まる一年でした。2020年は漫画喫茶に泊まれる日数を増やしたいですね」  貯金がほぼゼロという状況でも「あわよくば」の希望だけは捨てていない。それが、宝くじだ。 「クリスマスも初詣も興味はないけど、年末ジャンボは毎年必ず購入しています。2019年は3枚だけ連番で購入しましたよ。10億円当たったら何に使おうかって考えるのが楽しくて。もちろん、ポルシェ買いますよ。現ナマでね!」  捨てさえしなければ希望は残り続ける。くれぐれも体調は崩さぬよう、ご自愛いただきたい。

太田龍二さん(仮名・48歳)日雇いバイト、年収約90万円

太田さん。現在は11月に見つけた廃ビルの倉庫で寝泊まりしている

「空き家に不法侵入して暮らす40代の貧困…」で取材した太田さん。ネットカフェに泊まるカネすらなく、空き家に住んでいる漂流者だ。改めてコンタクトを図ると、現在は11月初旬に発見した廃ビルの倉庫に寝泊まりしているという。訪れたところ、ガランとした空間の片隅で身を縮めるように座っている太田さんの姿が…。取材陣の姿に気づいた太田さんは、力なく語りだした。 「腰を痛めてしまいまして、あまり仕事を入れられない状況です。年末年始ですか? 年末は休んで元旦から警備のバイトをする予定です。次の空き家も見つけられてないので、なんとか正月過ぎまで居座れればいいですね。期間が長くなるためリスクは高いのですが、寒い時期は転居回数を減らしたいので…。やむを得ないですね…」

バイト先のトイレが風呂代わり

 太田さんが年末年始に最も辛いのは、風呂に入れないことだという。 「行きつけの銭湯が年末年始は連休を取る予定なので、風呂はバイト先のトイレを拝借する予定です。寒い時期に濡れタオルで体をこするのは辛いので、考えるだけで憂鬱。でも、タダだからね。ここ数年、正月に大好きな『箱根駅伝』を見れていないのが寂しいです。寝床から、隣接するアパートのクリスマスツリーの灯りが見えるのですが、あの灯りをみるとなぜか涙が溢れるので…嫌ですね」   「初詣だけはどこの神社でもいいので行きたい」と語る太田さん。どんな辛い状況でも神頼みにすがりたくなる心境には、2019年一年のこんな光明があるという。 「2019年は辛抱の一年でしたが、家を借りるための貯金が7万円に達しました。寝袋もボロボロだし、2020年こそ、布団で寝られる家を手に入れたい…」  住居侵入罪にもとわれかねない空き家暮らしが辛抱の正体、と思えばお世辞にも褒められた話ではないが、太田さんにとっては背に腹はかえられぬといったところか。2020年こそは、そのささやかな願いを叶えてあげたい。〈取材・文/日刊SPA!取材班〉
年収100万円で生きる-格差都市・東京の肉声-

この問題を「自己責任論」で片づけてもいいのか――!?
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