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「お金より時間のほうが価値がある」のはカネ持ちだけ/プロ奢ラレヤー

 つまり僕が言いたいのは、「別に無理して資本家のスタイルに合わせなくていいんだよ」という話です。彼らの言葉に惑わされずに、「何も生み出さない時間」を大事にすることも贅沢な生き方だと僕は思います。  資本家になれない人々にとっても、時間は重要なものです。だからって時間を購入するためにカネをガンガン使えば、それはただの浪費でしかありません。  だから、お金ない人はタクシー乗るよりも歩いたほうがいい。その数分で、なにかできたの? 楽しいこと増えてる? それって、その分を余計に稼がなきゃいけないこと計算に入ってる?  けど、もちろん、すべてが割に合わないわけじゃないです。コンビニ飯くらいなら許容範囲に入る人も多い気がする。  料理する時間も、何を作るか考える時間もいらなくなるし、洗い物もいらなくなる。しかも、クオリティが高い。それでたったの数百円上乗せ程度で済むなら、十分にお金を 出す価値はある。割安な「時間買い」の例です。  「家事代行サービス」をガンガン使って効率化しようっていう雰囲気もあるけど、それが世の主婦や主夫の息抜きとして機能するならどんどん使うべきだと思います。  僕なんて「ゴミ捨て、掃除、洗濯、洗い物」の家事すべてを外注しても、ぜんぜん割に合います からね。なぜなら単純にこれらを全部やろうとすると精神が破滅してしまうから。    ただまあ、家事ができる人で、お金がない人は自分でやったほうがいいと思いますよ。生活コス トとのバランスを見て、自分は月50 時間ゆとりがあったらお金を生み出せるのか、それともただ パズドラをやって終わるタイプの人間なのか……そこを見定めなければ、お金よりも時間、とは言えないのです。 「自分は何ができて、何ができないのか」。できないことレベルを見定めて、できることの生産性を高めていく。そういう作業が「一時間の資本的な価値」をアップするために大事になってくるんじゃないかなあ、と思う次第です。 まとめ ・一時間のゆとりを作ってもたいていの人は何も生み出せない ・資本家以外は「時間」よりも「お金」を大事にしたほうがいい ・何も生み出さない時間を大事にすることも幸せな生き方 <文/プロ奢ラレヤー 撮影/山川修一(本誌)>
本名、中島太一。23歳。「他人のカネで生きていく」をモットーにツイッターを介して出会ったさまざまな人に「奢られる」という活動をし、現在フォロワー約9.8万人。奢ってくれた人々との邂逅を綴った「奢ログ」を含む日々の考察を有料note「プロ奢ラレヤーのツイッターでは言えない話。」として配信中。著書『嫌なこと、全部やめても生きられる』(扶桑社刊)、『プロ奢ラレヤーのあきらめ戦略』(祥伝社)。
嫌なこと、全部やめても生きられる

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