カーライフ

「BMWは後輪駆動が最高!」は無意味なこだわりなのか?

BMW1-3

写真ではわかりづらいですが、1シリーズ(上)は全長4335㎜、3シリーズ(下)は4715㎜と実際は長さが約300㎜も違います。お尻もそうですが運転席から前の部分がFRの3シリーズは長いのです

 セダンのようにお尻が付いてれば、長い鼻はパワーの象徴でカッコよく見えるけど、鼻だけ長くてお尻がないと、プロポーションが狂って見えるのです。写真の下側は、FR方式のBMW3シリーズですが、トランクだけ手で隠してみてください。絶対不格好に見えるから。先代までの1シリーズはそういった宿命を負っていたのです!  しかもFRは、FFに比べると室内が狭くなる。小型車はスペースが限られてるのに狭くなったら絶対窮屈! いいことないやんけ!  つってもそんなことを言うのは私くらいで、1シリーズは十分人気がありました。なかでもカーマニアたちは、小さいのにFRであることを唯一無二のすばらしい特性だと称賛してまいりました。カーマニアはFR方式が好きなのです。  カーマニアはなぜFRが好きなのか。その理由もまた深遠で、主なものは「後輪で路面を蹴る感覚があり、曲がりやすい」とか、「ステアリングフィールが自然」とかいうオタクっぽいものです。  ところがそんな1シリーズも、このたび、とうとうFFに生まれ変わりました! カーマニアたちはそれを嘆き悲しんでおります。担当Kも「FFなら、わざわざBMW1シリーズを選ぶ理由がなくなりますねー」と言い放ちました。彼もまた盲目的にFRを愛するカーマニアなので。  しかし私は言いたい。1シリーズはFFでいいのだと。FFになったことで、1シリーズは3代目にしてついにマトモなプロポーションを手に入れた! 写真を見てもマトモでしょ? よかったよかった!  実際走ってみりゃ、FFのデメリットなんて微塵もない。そりゃまあ後輪で蹴る感覚はないけれど、FFだって自由自在に走ってくれる。つーか近年のBMWは、FRよりFFのほうがよく曲がるくらいだ。FRだった先代より後席も荷室も断然広い。よかったよかった!  が、ひとつだけ残念なことがある。それは新型1シリーズの顔です。
オートクラブ

こちらはエントリーグレードの118iで、最高出力140馬力の1.5リッター3気筒ターボエンジンを搭載するFF車

 この顔、私にはブサイク犬に見えて仕方ありません。せっかくプロポーションがまともになったのに。鼻の穴も上向いててデカすぎる!  まあ、1シリーズを買う方にとって、そんなのどうでもいいことでなんしょうけど。実際のところBMWのブランド力は、駆動方式やデザインをはるかに凌駕しておりますから。BMWであればすべて善し。
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リアの荷室も、おじさんを1人乗せられるほど広々してます

オートクラブ

(良い子はマネしちゃダメ)

【結論!】 この顔、私はブサイク犬に見えますが、そう言うのは私くらいで世間的には問題ないようです。BMW2シリーズはカピバラに見えますが、そっちもよく売れてます。しょせんカーマニアの無意味なこだわりなのでしょう。涙
1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中
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