更新日:2023年05月15日 13:40
カーライフ

2020年は小型SUVブーム到来!でもカーマニアの興味は…

見た目がよくて世界的にヒットしてもSUVを選ばないカーマニアの謎

 はるばる青森県から上京してきた担当Kです。東京に来てまずビックリしたのは「OIOI」という看板がやたら目についたこと。「オイオイって何だべ?」と思ったらマルイと読むんだと。東京の看板はすげーなあ。もう一つビックリしたのは、4WDのクルマがほとんど走っていなかったこと。「軽トラだって4WD」の青森から来たもので。都会は違うなあと思ったもんです。
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VW T-CROSS

永福ランプ(清水草一)=文 Text by Shimizu Souichi 池之平昌信(流し撮り職人)=写真 Photographs by Ikenohira Masanobu

フツーのクルマといえばイマドキはSUV!?

 自動車業界ではごくフツーに「SUV」という単語が連発されている。「SUVはもはや乗用車のスタンダード!」とかいう感じで。しかし、いったい何割の人がその意味をわかってくれているのか。  本誌SPA!では、確か10年くらい前まで、クルマにド無知なみなさま向けに「パジェロタイプのクルマ」と説明していた。ところがそのパジェロが販売不振で生産中止に! じゃなんて説明すりゃいいの!? やっぱジープタイプのクルマ? SUVってスポーツ・ユーティリティ・ヴィークルの略だけど、それ書いたって意味わかんねえし!  しかしそんなこととは無関係に、’20年は小型SUVブームの年になるらしい。ダイハツ・トヨタ連合は、先日1000ccターボを搭載したロッキー/ライズをリリースし、早くもバカ売れ中。そして世界最大の自動車メーカーであるVWグループも、ポロをベースにした小型SUVをリリースした。それがこのTクロスで、エンジンはこっちも1000ccターボだ。
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ポロの車高を高くしたTクロスは299万9000円~。搭載される1リッター3気筒ターボエンジンは最大出力116馬力。日本で買えるVWの現行SUVは兄貴分のティグアンとTクロスのみ。現状、VWジャパンの販売台数の約3割がSUVとのこと。Tクロスの登場で、SUV比率はグッと上がるかも!?

 普通車で1000ccって言ったら、ほぼ最小クラス。ジープタイプのクルマにそんなちっこいエンジンで大丈夫?と思うでしょうが、車体もちっこいので大丈夫です! 実際よく走る! オッサン3名を乗せて山道を爆走しても余裕! カーブでもグラッと揺れたりせずにとっても安定してる! SUVだけに背が高いぶん見晴らしがよくて気持ちイイ! 流行りのSUVだからイケてる感じもある! デザインはVWらしく少し野暮ったいけどそれがまた実直な感じで好印象! これで300万円前後ならお買い得だぜ!
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1リッター3気筒ターボエンジン+7速DSGのミッションの組み合わせは山道でもノーストレス! Tクロスはいいクルマなんだけど、カーマニアとしては……

 ただ、このTクロス、FF(前輪駆動)しかありません。「ジープタイプなのに四駆がないの!?」と驚く人は、クルマに詳しい人なのか疎い人なのか微妙だが、最近は4WDの設定のない都会派SUVがどんどん増えておりまして、アタリマエのことになりつつあります。 「そんなのあり得ませんよ!」と異を唱えるのは、青森県五所川原市金木町出身の担当Kだ。 「うちの田舎で走ってるクルマの9割は4WD(本人調べ)。4WDじゃないと、冬場は命の危険にさらされますから!」(担当K)  4WDのないSUVなんて、ストーブのないストーブ列車みたいなもんらしい。しかし悲しいかな、青森県の人口は日本の100分の1。豪雪地帯を全部合計しても8分の1くらいか? さすがに国産SUVは雪国に配慮して4WDを用意しているが、輸入車には無視されることが多いのだ。
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SUVなのにFFって、買う意味あるんですか?
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1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中

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