カーライフ

BMW新型2シリーズクーペのカッコよさは昭和の大横綱・千代の富士

カーマニアとクルマと相撲

昭和の大横綱・千代の富士の鍛え上げられた鋼のような肉体を見て、「カッコいい!」「すげえ!」と思うのはオジサンだけではないでしょう。千代の富士を知らない世代が千代の富士の写真を見て、素直にカッコいいと思うんですから。そんな直感的に「カッコいい!」と思えるクルマがBMWの新型2シリーズ。懐古趣味が多いカーマニアは、一瞬にして心を奪われました!
オートクラブ

NEW BMW 220i COUPE

永福ランプ(清水草一)=文 Text by Shimizu Souichi 茂呂幸正=写真 Photographs by Moro Yukimasa

BMWの新型クーペは、現代によみがえった昭和の大横綱・千代の富士だ!

 我々、中高年カーマニアは非常に保守的で、基本的に「クルマは昔のままがいい」と考えている。その姿勢は、どこか相撲協会に似ている。今どきチョンマゲ+「外出時は着物を着ろ!」なんて、そんな世界があること自体驚異だが、実はカーマニアも、クルマに似たようなことを求めているのだ!  まず、駆動方式はFR(フロントエンジン・リヤドライブ)でなくてはいけない。カッコはスポーティな2ドアクーペがベスト。オラオラグリルは風紀を乱すので禁止。さらには、できるだけコンパクトで軽いほうが望ましい。それが全部揃ってこそ、カーマニアが考える「真に正しいクルマ」なのである。力士で言うと千代の富士でしょうか。  もはやそんなクルマ、ほとんど残ってない。コンパクトで軽いクルマは、たいていFF(フロントエンジン・フロントドライブ)になっているし、2ドアクーペなんて売れないから絶滅寸前だ。巨大なオラオラグリルも今や定番。つまり、カーマニアが考える「千代の富士のような正しいクルマ」は、空想上の存在になりつつある。
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突如として千代の富士が復活!
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1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中

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