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“安倍総理の次”は誰に?本命2人のレースのゆくえ

選挙のタイミングで優劣分かれる「岸田vs石破」

 昨年は「令和おじさん」として名を売り、参院選で激戦区を奔走した菅義偉官房長官が一躍ポスト安倍の最右翼として急浮上したが、相次ぐ問題を受けて脱落か。 「河井氏、菅原氏ら“菅派”の閣僚辞任が相次いだうえに、菅氏側近の和泉洋人首相補佐官の不倫出張疑惑が浮上。このうち和泉補佐官のスキャンダルは安倍官邸による“菅いじめ”と目されています。安倍首相は岸田氏へ禅譲する意向を示したいのに、菅氏は総理のイスへの色気を隠そうとしなかったので。  さらに、桜問題では半グレと菅氏のツーショット写真が流出。そして、IR疑獄を巡っても菅氏の名前が取り沙汰されている。昨年逮捕された秋元司容疑者が、多額の現金を受け取った“IR三羽ガラス”がいると話していたことが話題になりましたが、その3羽の一人が菅氏ではないかと」(週刊誌記者)  果たして、候補が2人に絞られたポスト安倍レースの行方は? 「解散の時期によって変わってくるでしょう。東京五輪閉幕直後に余勢を駆っての解散が有力視されていますが、ここで自民党が議席を伸ばすようなら、二階俊博幹事長らが主張する安倍氏“4選”の可能性も出てくる。大きく議席を減らすようならば、憲法改正に向けて国民民主の改憲支持派を取り込む必要があるので、来年9月の総裁任期を待たずにポスト安倍に移行する可能性も。なぜなら、安倍政権は支持できずとも、新政権は支持できるという野党議員がいるから。国民民主の半数以上が改憲支持のため、取り込めば参院でも優に3分の2を超える」(藤本氏)  一方で、解散先送りを予想するのは政治アナリストの柿崎明二氏。 「現状、衆院で改憲勢力の3分の2を確保しているうえに、選挙を行えば議席を減らす可能性のほうが高いことを考えれば、早期解散の理由がありません。任期中の憲法改正は難しくとも、今国会で与野党協議を進めれば秋の臨時国会ないし来年の通常国会で改正に向けた発議を実施することも可能なので、改憲への道筋をつけ、次の政権に移行したうえで選挙に臨む可能性が高いと見ています。順当にいけば、党内の支持基盤が厚く安倍首相に後継指名されている岸田氏がポスト安倍の最有力でしょうが、石破氏は有権者からの人気が高く、野党にも支持者が多い。  衆院選での苦戦が予想されれば、選挙に強い石破氏が巻き返すことも考えられます。キーマンになりうるのは、菅官房長官でしょう。仮に、石破氏を支持するようなことがあれば、情勢はひっくり返る可能性も。立憲民主と国民民主は合流協議を継続する構えですが、合流の実現や選挙区調整をしっかり行ったうえでの両党連立政権を視野に入れた選挙となれば、これも石破氏には追い風となる」  五輪直後か、来秋か? 桜問題やIR疑獄の真相究明とともに、ポスト安倍レースにも注目したい。
石破茂・元幹事長

石破茂・元幹事長

「次の首相」にふさわしい人1位は石破氏、2位安倍氏

 毎日新聞が1月に実施した調査では、石破氏が19%、安倍首相13%、小泉進次郎環境相と河野太郎防衛相が6%で並び、菅氏4%、岸田氏3%の順。昨年末のBSテレ東の番組に出演した安倍首相はポスト安倍候補として岸田氏、茂木敏充外相、菅氏、加藤勝信厚労相の4人を挙げ、石破氏を完全に無視したが……。 <取材・文/週刊SPA!編集部 写真/日刊現代/アフロ 産経新聞社> ※週刊SPA!1月28日発売号より
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表紙の人/ 広瀬アリス

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