自民党総裁選で注目の石破茂 ×立民・ 野田佳彦が対談で語った「きちんと議論する国会を取り戻す」覚悟
岸田文雄首相が不出馬を表明したことで注目を集める自民党総裁選2024。これに立憲民主党の代表選も加わり、連日、候補者の舌戦が各メディアで報じられている。そうした注目候補の中に、自民党総裁の有力候補・石破茂氏と先日、立憲民主党代表選に出馬表明した野田佳彦氏がいる。
実は、SPA!では約1年前にイチ早くこの2人に注目し、「もう一度総理を目指してみませんか?」というテーマで対談を実現させていた。“傍流だった”石破茂と野田佳彦という2人の政治家は与党と野党第一党というライバル関係にありながらも、良識派で、1990年代の新党ブームに参加、第2次安倍政権下では蚊帳の外に置かれるなど、共通項も多い。間違いなく、今回の各党代表選のキーマンとなり、日本の政治の今後を左右するであろう2人は対談で何を語っていたのか。自民党総裁選と立憲民主党代表選が行われている今だからこそ読むべき記事として再掲載する。
(1記事目/全2記事)
※同記事は2023年9月19・26号週刊SPA!「エッジな人々」に掲載
【2記事目はコチラ】⇒石破茂×野田佳彦が語った「総理大臣を目指す」理由
――本日はSPA!の「エッジな人々」のご出演ありがとうございます。
野田:いま一度確認ですが、「エッジな人々」という企画ですよね? 私が「ジ」と「チ」を聞き間違えたのかと。
石破:そんな企画で呼ばれたんじゃ、たまったもんじゃない(笑)。しかしこのタイミングで、野田さんとの対談とは……。どんな魂胆なんだろうか。
野田:おそらく実力派で、国民からの人気も高いのに、なかなか総理になれない石破さんと、野党で不遇をかこっている野田の二人をぶつけたら、何か化学反応が起こるのでは? というのが編集部の狙いでしょう。
――その通りです(笑)。まず、お二人に、これまでどんな交流があったのか、伺いたいです。
石破:私と野田さんは昭和32年生まれのB型。このご時世にたばこもやめないし、日本酒も大好き。共通点は多いよね。
野田:学年は石破さんが1年先輩で、政界入りも大先輩。私が地方議員だったころ、石破さんは自民党の若手議員としてすでにテレビにも出演されていて、いわば憧れの存在でした。……と、まずは褒めておきましょう(笑)。
石破:もう一つ、大きな共通点があるじゃない。我々の世代と言えばやっぱり“キャンディーズ”。そのなかでも、野田さんと私は一番マイナーなミキちゃん好きで一致していて、「同志だ!」って熱くなりましたね。党は違えども、当選4、5回目あたりから時々お話しするようになったのかな。野田さんが予算委員会で質問されると、言葉の使い方、芯を喰った質問に感銘を受けて、「よかったですよ」とメールを送ることもあった。そこまでの政治家はそういない。
野田:私も石破さんに対しては同じ印象を持っています。国会の議論は喧嘩別れに終わったりすることもあるのですが、石破さんとなら、お互いの主張を展開しながらも国民生活を第一に考えて、与野党関係なく一致点を見いだす議論ができた。言葉の選び方、議論の展開なども実に勉強になります。
石破:“言葉”といえば、野田さんが国会で行った安倍元総理の追悼演説は素晴らしかった。誰が国会での追悼演説を行うかは自民党内でも議論になりましたが、格も十分で、自分の言葉で語れる人でないといけない。そう考えた時に、私は野田佳彦を置いてほかにいなかったと思います。
野田:過分なお褒めの言葉をいただきました。首相として所信表明や国連演説という大きな舞台を経験しましたが、あの追悼演説が人生で最も難しい演説だったことは事実です。安倍さんとは政策が相容れないところもありましたし、「悪夢の民主党政権」などと面と向かって酷評されたこともあります。これは相当きつかったんですが、安倍さんとの間で、同じ立場を経験した人間としてのリスペクトが通い合っていたのも確かです。
追悼演説が人生で最も難しい演説だった
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